アメリカでSlack株価が急騰!背景にSalesforceによる買収検討の報道

ニュースのポイント

  1. SalesforceがSlackの買収に関心を持っていると報道されたことを受けて、Slackの株価がアメリカ時間11月25日に25%近く急騰した
  2. 2社のプロダクトを互いの顧客に売り込んで、さらなる成長に結びつけることにこの買収のメリットがある
  3. 買収の実現はSalesforce側が提示する株式の買取価格にかかっている

SalesforceによるSlackの買収報道で、Slack株が25%近く急騰

アメリカ時間11月25日、Slack(スラック)の株価が急騰した。Wall Street Journalの「Salesforce(セールスフォース)がSlackの買収に関心を持っている」という報道を受けてのものと考えられる。
Yahoo!ファイナンスによると、この報道を受けてSlackの株価は25%近く上昇しているという。

Slackの株価が急騰しているのとは対照的に、Salesforceの株価はマイナス3.5%と低調だ。この要因は、SaaSのパイオニアであるSalesforceが今回の買収のアイデアで市場にインパクトを与えることができなかったか、あるいは、2019年のIPOレベルの株価に高騰するかもしれないSlack株の買収価格を投資家から不安材料として取られているからだろう。

CRMマーケットのリーディングカンパニーがSlackを買収する理由

引用元:セールスフォース・ドットコム

そもそも、すでにCRM(顧客情報管理)マーケットにおいて確固たる地位を築いているSalesforceが、なぜ今、Slackを買収する必要があるのか。すぐに思いつくメリットとしては、2社のサービスや製品を互いの顧客に売り込み、さらなる成長につなげるということがある。Slackは、スタートアップに幅広いマーケットシェアを持っている一方、Salesforceの製品やサービスは主に大企業に利用されている。

実際に、Slackは2016年に書類管理のプラットフォームサービス「Quip(クイップ)」を日本円で約783億円で買収し、書類共有やコラボの機能を手に入れた。この時と同じようにSalesforceは、Slack買収で企業向けのチャットサービスを効率的に手に入れようとしているのだろう。

さらに、Slackにはただのチャットツールというだけではなく、企業のワークフローを埋め込められるという特徴がある。業務で使用している他のサービスとの連携や、画像を含めたあらゆる種類のファイルの共有などができる。これは、Salesforceのセールス、サービス、マーケティングなど一連のサービスに適合すると考えられる。2社が統合することによる非常に高いシナジー効果が期待されているのだ。

加えて、この買収によりSalesforceは、確実な収入源を得ることもできると見られている。Slackとしては、Microsoftと良好な関係を築いてきたSalesforceの傘下に入ることによって、Slackのようなチャット機能とZoomのようなビデオ機能を搭載する「Microsoft Teams」に、この四半期で奪われてきたシェアを奪い返す好機にもなり得る。

この買収が成立するか否かは、ひとえに、Salesforce側の買取価格にかかっていると言われている。Slackの投資家は、情報が漏れる前の1株あたりの価格より相当な上乗せがなければ売却したがらないだろうと見られているからだ。

Salesforce
世界最大級のCRM(顧客情報管理)プラットフォームをはじめとしたクラウドコンピューティング・システムの提供企業。Salesforce
のCRMプラットフォームは、マーケティング、営業、コマース、サービスなどすべての部署で、顧客一人ひとりの情報を一元的に共有できる点に最大の特徴がある。本社はアメリカ・カリフォルニア州にあり、2000年4月に日本法人が設立された。参考:セールスフォース・ドットコム

Slack
近年、注目を浴びているビジネスチャットツールのひとつ。数あるビジネスチャットツールの中でも、使い勝手の良さから世界的なシェアを獲得しており、導入企業は75万社以上、アクティブユーザーは1,200万人を超えている。Microsoftのビジネスチャットツール「Microsoft Teams」と熾烈なシェア争いを繰り広げている。参考:Slack
SaaS
Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)の略語。主に、クラウド上で提供されるソフトウェアを指す言葉。GmailやYahoo!メールなどのメールサービスやSalesforceなどのCRM、SlackなどのビジネスチャットツールはSaaSの代表例。参考:boxil
IPO
Initial Public Offeringの略語。日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」を意味する。未上場の企業が新規に株式を証券取引所に上場し、誰でも株取引できる状態にすることを言う。上場することによって、企業は金融市場から幅広く資金調達することが可能になる。参考:au株コム証券

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