海外投資家の買い攻勢を受け、日経平均株価「26,000円台」へ上昇。

ニュースのポイント

  1. 海外投資家による買い攻勢で、日本の東京株式市場が上昇相場に突入
  2. 年初来高値を更新したTOPIX。「まだ上値余地はある」と専門家の見立て
  3. 海外大手投資ファンドの今後の動きから目が離せない状況となっている

低空飛行から一転、日経平均株価が「2万6000円台」へと上昇

日経平均株価チャート/日足・3カ月

引用元:SBI証券公式サイト「日経平均株価チャート/日足・3ヶ月」

東京株式市場が新たな上昇相場に突入している。日経平均株価は11月に入るとともに、これまでの低空飛行から一転、一気に上放れに転じ2万6000円台へと駆け上がった。米大統領選の終了とともに不透明感は後退したほか、新型コロナワクチンの開発期待が膨らみ、経済正常化への思惑も高まる。とりわけ、足もとの株式市場を牽引しているのが海外投資家だ。海外投資家は「世界の景気敏感株」として日本株を再評価し始めており、年末にかけて買い攻勢を続ける可能性が高い。

3連休明けとなった24日の日経平均株価は、前週末に比べ638円高の2万6165円と急伸して取引を終えた。一時、2万6261円と1991年5月以来、29年半ぶりの高値圏に到達した。英アストラゼネカが、開発中の新型コロナワクチンの有効性は最大90%だと発表した。また、複数メディアが、米国の新財務長官にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長が有力と報じた。こ市場関係者によると、これらの動向が、東京株式市場の上昇基調に貢献しているという。さらに、海外投資家の買いが市場を底支えしているという。

上昇相場の背景には海外投資家の買い攻勢が

東京証券取引所

引用元:フリー素材ドットコム 東京証券取引所

実際、東京証券取引所が発表する投資部門別売買動向でも海外投資家の買い姿勢が顕著だ。11月第2週(11月9~13日)は3842億3875万円と2週連続で、売り数量が買い数量を上回る買い越しを記録した。現物と先物を合計した現先ベースでは2週連続で1兆円の買い越しとなっている。短期売買のヘッジファンドなどは、売り姿勢から買いに転換。中長期投資の年金や投信なども、再評価に伴い、日本株に見直し買いを入れている様相だ。

ワクチン開発への期待も高まり、先行きの経済正常化への思惑も膨らむなか「製造業が強く世界の株式市場のなかでも景気敏感株とみられている日本株に対する見直し買いが入っているようだ」(アナリスト)との観測が強まっている。ただ、足もとでは買い越してきた一方で、海外投資家は年初からみれば現物株ベースで4兆6000億円強売り越している。日本株への評価を低く見積もっている海外投資家は少なくなく、東京株式市場の上振れに伴い、「海外投資家が、ここか買い増す余力は十分ある」(市場関係者)との見方は多い。とりわけ年末に向けては例年、海外投資家が買い姿勢を強める時期だ。

TOPIXが年初来高値を更新。今後の海外ファンド動向に注目が集まる

引用元:Capital Group 日本向け公式サイト

なかでも、市場の関心を集めているのが、出遅れ感が強かったTOPIXが、ようやくこの日に年初来高値を更新したことだ。一部値が株価の上昇に牽引される形で、日経平均株価が29年ぶり高値まで買い上げられた。しかし、TOPIXベースでは本格的な上昇基調に入ったばかり。「18年1月高値(1911ポイント)を視野に入れても、まだ上値余地はある」(アナリスト)とみられている。

TOPIXの見直しで、時価総額の大きな三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株やトヨタ自動車 、ホンダ など自動車株、伊藤忠商事 や三菱商事 などに今後本格的な出番が出てくることも予想される。また、鉄鋼や機械、海運など景気敏感株に買い余地が膨張している。

では、具体的に海外投資家はどんな銘柄に買いを入れているのだろうか。米運用大手キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントは足もとで、スクウェア・エニックス・ホールディングス や日本M&Aセンター 、寿スピリッツ 、弁護士ドットコム  [東証M]やラクスルなどの大株主に名前を連ねている。

一方、「アクティビスト(物言う株主)」として知られる英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズは、日本触媒 や日本化薬  、奥村組 、住友重機械工業  、三菱マテリアルを買い増しを続けている。旧村上ファンド出身者が設立しシンガポールに本拠を置くエフィッシモ・キャピタル・マネージメントは近畿車輛やデクセリアルズ 、富士紡ホールディングス、不動テトラ、大阪製鐵 などに投資しており、海外ファンドの動向からますます目が離せない状況となっている。

投資部門別売買動向
投資部門別売買動向は、法人、個人といった投資家のカテゴリー別に見た日本株の取引情報のことだ。カテゴリーは大きく海外投資家、法人投資家、個人投資家の3つに分かれ、グラフの一覧によって各カテゴリー別の投資家が、1週間という期間でどれほど日本株を買い越し、売り越ししたかを伝える形となっている。この投資部門別売買動向で注視すべき項目は、取引の過半数を占める海外投資家の動き。2012年中旬から13年末までのアベノミクス相場では、海外投資家による17兆円余りの買い越しが、大幅な株価上昇につながるなど、国内投資家の投資判断に大きな影響を与えている。参考:やさしい株のはじめ方
TOPIX
東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)とは、東京証券取引所第一部上場全銘柄を対象として、算出・公表している株価指数のこと。TOPIX(トピックス。Tokyo Stock Price Indexの略)とも呼ばれる。日経平均株価と並ぶ、日本の代表的な株価指標です。東証1部上場の全銘柄(2020年1月21日現在、2,159社)を対象として、各銘柄の浮動株数に基づく時価総額を合計して計算している。1968年1月4日を基準日として、当時の時価総額を100として指数を算出している。参考:SMBC日興証券
キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント
米国の大手運用会社「キャピタル・グループ」傘下の投資ファンド。ソフトバンクや任天堂など、時価総額が1兆円を超える大手優良銘柄を10%以上を保有しているほか、オリックスの大株主として登場したことで有名だ。国内大手に対する運用実績の大きさから、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントのファンドは、1973年に設立したキャピタル・グループの日本国内における実績向上に寄与しているとされている。参考:M&A Online
アクティビスト(物言う株主)
英語表記はActivist。株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏づけとして、投資先企業の経営陣に積極的に提言をおこない、企業価値の向上を目指す投資家のことをアクティビストという。いわゆる「物言う株主」で、経営陣との対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘等をおこなうことがある。ただし、最近では株式の保有割合が低くても、投資先企業に積極的に提言をおこなうケースもみられる。参考:野村証券
シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ
国際的な株式運用に特化した投資顧問会。 米国の年金基金など750を超える顧客から運用を委託されている。 長期投資を前提とするバリュー型の投資スタイルを採り、上場株式証券を対象に投資。投資先は国や産業別に分散し、通常100~150件の投資先を保有している。参考:ファンド・M&A 金融転職

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