ソフトバンク出資の米不動産テックのコンパス、SECに上場申請書類を提出

コンパスはIPOで、エアビーアンドビーなどに並ぶ企業に成長か

コンパスのホームページ 引用元:atilicu.jp

米国の不動産テクノロジー企業の「コンパス(Compass)」が1月11日、米証券取引委員会(SEC)に上場申請書類を提出したと発表した。プロカメラマンが撮影した写真など、視覚でユーザーに訴えるPR手法や優秀なエージェントの抱え込みで業績を伸ばしてきた企業が、さらなる成長の機会を迎えることになる。

声明によると、株式数と価格帯はまだ決定されていないという。また、上場のスケジュールについても「SECの審査プロセスの後に実施される」ということ以外は開示されておらず、明らかになっていない。

コンパスは、ソフトバンクを含む企業から15億ドルを調達しており、ライバル企業からエージェントを奪うことに注力している。そうした事業展開の促進を図るため、同社は2019年に3億7000万ドルの資金調達を実施。その際の企業価値は64億ドル(約6700億円)に上るとされていた。

資金調達額からわかるように、コンパスは、市場からの期待が大きい企業だ。出資した企業は、ソフトバンク以外にもゴールドマンサックスやフィデリティ、ウェリントン・マネジメント、ファウンダーズ・ファンド、ドラゴニア・インベストメント・グループ、カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)など、錚々たる顔ぶれが並ぶ。

同社の広報担当者は、IPOの詳細についての説明を控えている。

コンパスは2012年にオリ・アロンと現CEOのロバート・レフキンによって設立。前職のゴールドマン・サックスでバイスプレジデントを務めるなど、レフキンは華々しい経歴を誇る人物として知られる。そのほか、マッキンゼーや国際的金融グループのラザード、米財務省などで働いていた。

コンパスが、予定通りIPOを実施すれば、同社は昨年上場を果たしたオープンドアやエアビーアンドビー、ドアダッシュ、Snowflakeらの有望企業と、知名度的にも、時価総額という尺度でも、並ぶことになる。これらの企業の多くは、SPAC(特別買収目的会社)との合併で上場を果たしている。

同社は昨年のパンデミックの初期段階では厳しい状況に直面し、従業員の15%を削減するなどの異常事態に追われていた。しかし、その後の不動産市場の急成長により、6月から8月にかけて記録的な売上を達成している。

コンパス
コンパスは、ニューヨークに本社を構える不動産テックのスタートアップ。主にラグジュアリー物件を取り扱っており、プロカメラマンによって撮影された写真を使ったホームページが特徴的だ。また、優秀なエージェントを集めるため、移籍金を払ったり、仲介会社への手数料を0%にするなど優遇することによって業績を伸ばしてきた企業でもある。参考:アトリク
米国における上場プロセス
米国上場のプロセスは、目論見書作成に必要な情報を集めるところから始まる。その後、ドラフトした目論見書をSECに提出し、SECから目論見書の承認を受け、ロードショーと呼ばれる潜在的な投資家への説明を実施した後、プライシングを経て上場に至る。これらの準備には、財務情報を集めるだけでなく、ガバナンスや内部統制構築、グループ税務戦略の高度化、IR体制の構築なども含まれるなど、多岐に渡る。参考:pwc
SPAC(特別買収目的会社)
SPAC(特別買収目的会社)は、買収を目的に設立された会社。資金調達ができるほか、企業にとってSPACでのICOは比較的早い済むだけでなく、投資家から見た場合に未公開株式に少額で投資できるといったメリットがある。参考:いろはに投資

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