日銀によるJ-REIT買い入れ、さらに減額

ニュースのポイント

  1. 日銀は1月4日、J-REITの買入れ額を1回あたり9億円に減額した
  2. 買入れ額は上下に変動しうるものとしており、買入れ実施の判断基準は今のところ変わっていないとみられる
  3. ETF、J-REITの売却について否定的なことから、「売らない日銀」によるJ-REITの買い支えは当面続くことが見込まれる

年初の日銀によるJ-REIT買い入れ額は減額

引用元:Newsweek

日銀は1月4日、J-REITの買入れ額を1回あたり9億円に減額した。コロナ前の1月、2月は1回あたり12億円の買入れを行っていたが、昨年3月にETF(指数連動型上場投資信託)とともに、J-REIT(不動産投資信託)についても、これまでの約2倍のペースである年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的な買入れを行うことを決めた。3月にはこの決定を受けて40億円まで増やしたが、4月以降は徐々に減額していき、8月には12億円となりコロナ前の水準に戻した。今回はそこからさらなる減額となった。

J-REITは株式市場に比べると出遅れているものの、昨年3月の急落から値を戻してきていることから、買入れ額を減額したもようだ。日銀はJ-REITについてもETF同様、買入れ額は上下に変動しうるものとしており、買入れ実施の判断基準は今のところ変わっていないとみられる。今回、買入れ額が減額されたが、相場が荒れた場合には増額、相場が一段と上昇する局面ではさらに減額することも想定される。

また、昨年のJ-REITの投資部門別の売買状況をみると、買い越しが目立ったのは日銀と投資信託だった。一方、日銀を除くその他銀行については一昨年に続き売り越しとなった。今年は、日銀の買入れ動向に加え、金融機関の買いが戻るかも注目だ。

日銀は3月の会合をめどに2%の「物価安定の目標」を実現する観点から、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための政策点検を行い、その結果を公表する予定となっている。黒田日銀総裁はETFの売却については「出口議論の一つで、全く時期尚早」と否定的。J-REITについても同様の考えとみられる。緩和姿勢の後退、転換と受け止められることから、資産の買入れ停止や売却の可能性は低いとみられる。買入れ額の上下動や3月の会合などでの買入れ実施の判断基準の見直し(下落局面でのみ買入れ実施等)の可能性はあるものの、売らない日銀によるJ-REITの買い支えは当面続くことが見込まれる。

ETF(指数連動型上場投資信託)
取引所に上場され、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など株価指数に連動する運用成果を目指す投資信託のこと。英語表記「Exchange Traded Fund」の略で「ETF」や単に「上場投資信託」とも呼ばれます。株式の売買と同様に指し値注文やカラ売り、信用取引も可能です。参考:三井住友DSアセットマネジメント
J-REIT(不動産投資信託)
多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。不動産に投資を行いますが、法律上、投資信託の仲間です。
もともとは、REITという仕組みはアメリカで生まれ、「Real Estate Investment Trust」の略でREITと呼ばれています。これにならい、日本では頭にJAPANの「J」をつけて「J-REIT」と呼ばれています。参考:投資信託協会

関連記事

ページ上部へ戻る