コロナ禍でREIT市場は不況、オフィス需要の低下が原因 投資家は長期保有せず

ニュースのポイント

  1. 新型コロナウイルスの感染拡大後、REIT市場の価格が元の水準まで戻らない状況が続いている
  2. 高く安定した分配金を魅力に感じて投資していた個人投資家が離れたことが原因とみられる
  3. ただし、分配金利回りが著しく低いわけではなく押し目買いのチャンスともとらえられている

オフィス需要低下で3月の大幅下落以降、回復せず

新型コロナウイルスの感染再拡大により、都内のオフィスを中心に不動産市況の悪化が懸念されている。2020年2月には年初来高値をつけたが、3月のコロナウイルス感染拡大時には1,100ポイント台にまで低下。それ以来、11月下旬も節目となる1,700ポイントを下回り続け、REIT(不動産投資信託)市場が冴えない状況が続いている。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、社会は大きく変化した。テレワークが浸透し、オフィス需要は減退。新型コロナウイルスの感染が止まった後も、テレワークが継続すると考える個人投資家も少なくない。REITはもともと安定した分配金が魅力とされ、個人投資家の人気を集めていた。しかし、コロナ禍で個人消費が減退し、分配金を減らしたホテル型銘柄も多い。これにより、長期保有の個人投資家が減り、REITの買い手である地銀は不動産市況の先行き不透明感が強い中で短期売買を行っている。

ただし、長い目で見れば東証REIT指数の分配金利回りは4.2%程度。分配金利回りが著しく低いというわけではなく、むしろ2014年以降では高水準を維持している。不動産価格の下落よりも賃料の下落は下げ幅が小さく、REITの分配金は安定感が強い。

個人投資家は4か月連続で売り越しも、押し目買いのチャンスか

現在のところREIT市場は市況の見通しが不透明で買い手が不足している。REITの投資主体別売買動向を見ると7月以降、個人は4か月連続で売り越しが続いていた。一方で、相場低迷が継続し価格が抑えられている今を押し目買いの好機とみる個人投資家もいるようだ。オフィス型銘柄につられて値を下げた複合施設型REITや物流型、住宅型のREITはこれまで割高で手が出しづらい側面があった。今の価格を割安と判断し、押し目買いをする個人投資家も今後増えてくる可能性がある。

直近では、JR西日本が資金確保のためにREIT事業への参入検討が報道された。新型コロナウイルスの影響で悪化した業績を補うため、保有しているオフィスビルや商業施設をREITに売却する予定。今後もREIT市場の動向を注視していく必要がある。

 

REIT
REIT(Real Estate Investment Trust)とは不動産投資信託のことです。
投資対象先に不動産を組み入れることができる投資信託です。
不動産に直接投資するのとは異なり、少額から投資できることなどが魅力ですが、
REIT特有のリスクもあります。
参考:REITって何? | はじめての投資 | 乙女のお財布 – 東海東京証券
投資主体別売買動向
投資主体別売買動向(投資部門別売買状況とも言います)とは、日本の株式市場において、海外投資家(外国人投資家)や個人投資家などの「買い越し」、「売り越し」の売買情報を伝える役割を持っています。参考:やさしい株のはじめ方
分配金
分配金とは、投資信託の収益から投資家に還元するお金のことで、決算時に支払われるのが一般的です。 ただし、運用成果や今後の運用戦略を考慮したうえで運用会社が決めるため、決算期ごとに毎回支払われるとは限らず、金額も決まっていません。 分配金の支払い原資は投資信託の資産ですので、分配金を支払うと資産は減ることになります。参考:初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券

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