- 2021/1/31
- 海外不動産
ベトナム不動産を始める前に知っておきたい!ベトナム不動産投資のメリット・デメリットとは?

海外不動産投資を検討されている方の中でも、投資先としてベトナムを候補のひとつに含めているという方も多いのではないでしょうか。
高い経済成長と若年層の人口増加は非常に魅力的な要素でもありますが、投資先は慎重に選んでいきたいですよね。
そこで今回は投資初心者にも簡単に分かりやすく「ベトナム不動産投資の特徴とメリット・デメリット」について解説をしていきます。
今回の記事を参考にしていただきながら、海外不動産への見識をより深めていただければと思います。
ベトナム不動産投資の特徴
ASEANの中でも飛躍的な成長を遂げている国のひとつであるベトナムですが、不動産以上が外国人にも開放されたのは2015年と比較的最近のお話。
成長真っ只中の国が不動産市場を開放したことで、不動産投資先として注目を集めています。
一方で、社会主義を取っているという側面もあり、まだまだ市場が大きく外国人に開放されているというわけではなく、いくつか制限が設けられているため、この点を知っておかなければなりません。
まずはベトナムへの不動産投資の特徴について、解説していきます。
外国人の不動産取得は制限付き
特徴的なのは、不動産の取得に制限が掛けられているという点です。
具体的には、外国人の購入が許可されたプロジェクトにおいて、コンドミニアムであればプロジェクトにおける30%まで。戸建てであれば地域内の30%までという制限が設けられています。
そして、ベトナムでは土地は「国の所有物」とされていることから、不動産においては土地の使用権・建物の所有権を購入するという形式になっています。
また所有期間は50年と定められており、追加で50年の延長が認めれていることから最大でも100年間まで保有が可能ということになります。
個人名義で取得が原則
ベトナムの不動産投資で賃料収入を得ようとする場合には、個人名義で取得をしなければなりません。
もしベトナム国内法人名義で取得した場合には、ベトナムの不動産事業免許を保有していない限りは、社宅用として用途が限られてしまいます。
ちなみに不動産事業免許を取得するには資本金1億円以上の法人である必要があることから、ベトナムで不動産投資を行う場合には、個人名義で行うようにしましょう。
中古は原則購入できない
外国人がベトナムで不動産を買う場合には、基本的に新築のプロジェクトに限られており、中古物件は原則購入できないようになっています。
ただし、外国人が保有する物件については、所有期間を引き継ぐという形で取得することができる仕組みになっています。
ベトナム不動産投資に係る費用とは?
ここからはベトナムで不動産投資を行うにあたり、必要となる費用面について簡単に解説していきます。
日本同様に不動産を購入する場合には、各種費用や税金が発生しますので、このような費用も含めた総額で投資判断をしていくことを念頭に確認していきましょう。
人気エリアの都市部では物件価格も上がり始めている
2009~2010年あたりに不動産そのものが一旦ピークを迎え、下落傾向にあったものの、外国人に市場が開放された2015年を皮切りに、再び上昇の傾向を見せています。
特にホーチミン市の中心街を中心に不動産価格が上昇してきていますが、それでもまだまだ他のアジア主要都市よりも比較的安価であり、キャピタルゲインを狙った不動産投資を積極的に行われています。
取引時の諸費用は物件価格の15%弱
取引時に発生するものとして、基本的には「付加価値税」「メンテナンスフィー」「不動産登記税」といった費用が発生し、合わせて物件価格の約12.5%となっています。
この他、間に入ってもらっている業者への事務手数料やコンサルタントフィー、現地視察の際の費用等も含めた計画をおこなっていきましょう。
維持費には、個人所得税や事業ライセンス料も考慮
購入した不動産を管理会社に委託して賃貸運用していく場合には、管理委託費用の他に「
付加価値税」や「所得税」が発生します。
一定の基準以下であれば納税義務が発生しませんが、基本的には賃料の10%は税金として納めるという計算になっています。
ベトナム不動産投資のメリット
ここからは人気を集めているベトナム不動産投資のメリットについて解説していきます。
アジア各国で外国人向けに不動産市場を開放している国々も多く、どの国の不動産を持つかという比較検討に重要な要素なので、このあとのデメリットも含めて確認しておきましょう。
アジア諸国の主要都市と比較して物件価格が安い
まずは他のアジア諸国主要としと比較して物件価格が安いというメリットです。
水準としてはフィリピンやマレーシアに匹敵する水準で、賃料収入という目線よりもこれからの値上がり上昇を狙ったキャピタルゲインを狙う投資も多く参入しています。
外国人居住も多く、収入面・利回り面が上昇
ベトナムの特徴のひとつとして、経済成長と合わせて人口の増加や物価の増加が期待できるというポイントです。
人口増加や労働人口の多さと、大幅な経済成長により、不動産価格もじわじわと上昇の兆しを見せています。
また、日本に比べても物価が低くいわゆる日本での固定資産税といった税制もないことから、維持コストを抑えやすく、収入面・利回りを取りやすい環境と言えます。
経済成長に合わせて都市部への流入・人口増加も期待できることから物件価格・賃料価格は上昇していくと様々な方面から予測がされています。
キャピタルゲインを期待した投資も多い
現在ベトナムではインフラや都市開発といった事業も大きく動いており、この動きに合わせて該当地域の不動産価格の上昇が期待されています。
特にハノイ・ホーチミンで動いている鉄道の計画や、ホーチミンでの都市開発計画を見込んだ予定駅周辺の駅チカ物件などは外国人投資家からも人気を集めています。
ベトナム不動産投資のデメリット
これからも大きな成長と発展を期待されているベトナムでの不動産投資も、必ずしも良い面ばかりではありません。
しっかりと特有のリスクも把握していくことで、うまくリスクを回避しながら円滑な運用を進めていくことができますので、しっかりと抑えておきましょう。
外国人の不動産投資には制限がある
まずは冒頭にも触れた外国人の不動産取得に制限があるという点です。
ベトナムは社会主義国家であり、市場が開放されたとは言え、外国人に対する規制もやや強い傾向にあります。
現在の制度が急激に変わってしまったり、資本主義・民主主義に慣れているとわからない特有の事態が起こってしまういわばカントリーリスクのようなものは念頭において理解しなければなりません。
送金手続きが複雑かつ大変
もうひとつの大きなデメリットとして、日本への資金送金の手続きが大変であるという点です。
ベトナムでの不動産投資の収益を、さらにベトナム国内の事業や不動産、またはご自身の旅行や移住時に使用するならば大きな問題はありません。
しかし、この資金を日本国内に送金するためには、納税証明や送金目的など様々なステップを踏む必要があります。
そのためにも大手の銀行に口座を開設して、送金の障壁を少しでも減らしていくなどの工夫が必要になっていきます。
プロジェクトや建物自体の信用性
日本の不動産であればあまり気にすることも少ない建物が完成しないといったリスクや、建物の耐久性が著しく低いといったリスクも海外の不動産では考慮しなければなりません。
実際に、政権交代などによってプロジェクトが頓挫してしまった事例も報告されており、ディベロッパーの大小によっても建物の性能に大きな乖離があります。
契約書や現地と繋ぐエージェントなどを活用して、不動産に関わるものについてはしっかりと確認をして、信頼できる状態を作っていくことが成功への鍵になります。
エリアによっては豪雨を中心とする天災も
ベトナムはエリアによっては、豪雨による天災も発生しており、国連でも自然災害被害を受ける国としてランクインする国のひとつです。
実際に日本のJICAも災害に強い社会を作るためのプロジェクトをベトナムで展開するなど、特に北部・中部を中心にこのあたりは対策をしておく必要があります。
ベトナム不動産投資に人気のエリア
ここからはベトナムの不動産投資の中でも特に人気を集めているエリアを紹介していきます。
それぞれのエリア図解で分かりやすくなれば
人気エリア①:ホーチミン
まずはベトナムの経済の中心地である「ホーチミン」です。
年間を通じて温暖な気候で、フランス植民地時代の名残を残しつつ、外資系企業が立ち並ぶまさに中枢と言えるエリアです。
特に1区は主要エリアとして、多くの機関が集まる経済圏の中心をになっており、日本国領事館のある3区も人気のエリアです。
また2区や9区、トゥードゥック区は都市開発地域に含まれているといわれるエリアで今後の価格上昇も期待されています。
人気エリア②:ハノイ
ベトナムの首都であり、日本同様に「四季」があることで知られている雨季を除けば比較的過ごしやすいエリアです。
日系企業も多くバーディン区やコウザイ区、コンドミニアムの開発が進むナムチュリム区などが不動産投資として人気を集めているエリアです。
人気エリア③:ダナン
ベトナム内ではもちろん、アジアの中でも有数のビーチリゾートとして知られる「ダナン」。
近年は観光地のみならず、ビジネスの誘致も積極的に行われており、今後の発展が期待されているエリアのひとつです。
実際に移住先としても世界各国から人気を集めており、そういった層を狙った賃料収入も期待できるかもしれません。
ベトナムで不動産探し?ベトナム不動産投資で知っておきたいメリットとデメリットのまとめ
ここまでベトナム不動産の特徴やメリット、デメリットについて解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。
日本国内にいると民主主義国家であることから、なかなか社会主義国家についてイメージを抱きにくく、嫌煙される方も少なくないのではないかと思います。
一方で、ベトナムを含めASEAN諸国の経済発展は著しく眼を見張るものがあり、そのポテンシャルは計り知れません。
まだ外国人に不動産市場が開放されてから日も浅いことから、多くの投資家がその可能性に期待しながら状況変化を注視しています。
本記事や他の記事を参考にしていただきながら、アジア各国への不動産投資の検討や、ご自身に合った最適な資産運用を実現していただきたいと思っております。