KKRがアジア太平洋地域向けの不動産ファンドを総額17億円で設立

ニュースのポイント

  1. 米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が14日、同社初となるアジア太平洋地域向け不動産ファンドを総額17億ドルで設立した
  2. 日本を重要な投資先と位置付け、全体の資金の2~3割を振り向ける模様
  3. 日本の市場では「プライベート・エクイティ部門と連携しながら、不動産会社への投資にも取り組む」としている

実質的な日本初進出

引用元:www.kkr.com

米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が14日、同社初となるアジア太平洋地域向け不動産ファンドを総額17億ドル(約1760億円)で設立したと発表した。日本を重要な投資先の一つとしており、全体の資金の2~3割を振り向ける模様。有力ファンドの本格参入で、日本の不動産投資がさらに活発になることが予想される。

KKRは2008年にグローバル市場を対象にした投資戦略をスタート。現在では約40のインフラ投資案件を持つほか、240億ドル以上を投資しており、世界有数のアクティブなインフラ投資家に成長している。こうした経験、地検の豊富さから、KKRは、今回のアジア太平洋地域向け不動産ファンドの設立により、資産価値の縮小リスクが小さいインフラ投資をアジア諸国で展開できることになる。

ファンドの運用期間は10年間。最初の5年程度で不動産を取得・開発し、残りの期間で他の投資家などに売却してリターン獲得を図る仕組みだ。日本ではデータセンターや物流施設の新規開発や、企業が抱える遊休不動産の購入などに注力する。新型コロナウイルスの影響が懸念されるオフィスビルやホテルなども、需要を見極めながら資金を振り向けるという。

日本ではプライベート・エクイティ(PE=未公開株)投資で多くの実績があることから「PE部門と連携しながら、不動産会社への投資にも取り組む」(不動産投資を担当する平元大介ディレクター)とし、事業可能性を持つ案件への投資を加速する考えを示している。

KKRは米国や欧州でそれぞれ不動産ファンドを運営する。アジアでは2011年から自己資金やPEファンドの資金などを活用しながら、中国や韓国などで不動産投資に取り組んできた。ファンド設立をきっかけに、アジアでの投資を拡大する。日本での投資実績はまだなく、伸び幅があるとみる。今後の投資拡大をにらみ、日本の不動産部門の人数を増やす方針だ。

外資系ファンドによる日本の不動産投資が活発化している。カナダに本拠を置くベントール・グリーンオークや、アジア拠点のPAGは20年に設立したファンドで、それぞれ最大で約1兆円、約8000億円を日本に投資する計画を掲げている。

国の緩和政策や低金利下で不動産に運用マネーが流れ込むなか、日本は新型コロナの経済的影響が、他の国・地域と比べて抑えられていることがKKRのファンド設立に影響しているとみられる。日本を含むアジアでは住宅が狭く、米欧に比べて在宅勤務が定着しにくいとみて、オフィスビル購入に前向きな投資家も少なくない。

コールバーグ・クラビス・ロバーツ
KKRは、プライベート・エクイティやエネルギー、インフラ、不動産など、多様な資産クラスの運用を手がける世界有数の投資会社。実業家の視点を持つ投資家として、KKRは世界トップクラスの人材に資産を投じ、全ての投資パートナーと利益を共有することで、相乗的な投資利益の創出を目指している。参考:KKR
プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティは、成長余地があるものの、何らかの要因でその潜在的な成長力を活かしてきていない企業に投資し、企業価値を高めてからIPOや他者への売却などで、金融利益の獲得を目指すビジネスを指す。大企業の子会社やオーナー系中堅企業を対象に3~5年程度で手放すことを前提にした買収を行う。極たまに、事業再生やディストレス、不良債権投資を目的とした投資実行もある。参考:ANTELOPE

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