- 2021/1/27
- 不動産知識
初心者にも手軽に始められるREIT(不動産投資信託)とは?|不動産投資とREITとの違いを徹底解説!

不動産投資について調べていくと「REIT(リート)」という言葉の意味につまずいてしまった方も多いのではないでしょうか。
REITとは、不動産投資×証券取引のような投資手法です。不動産投資とは大きく異なり、REIT(不動産投資信託)と呼ばれます。
どちらの手法も不動産を運用して利益を得るという点では異なりませんが、細かいところが異なります。
本記事では、不動産投資とREIT(不動産投資信託)の細かい点を比較しながら、各種メリット・デメリットについて解説していきます。
まず初めに、そもそもREITが何かわからない方に向けて、基礎知識からみていきましょう!
REIT(不動産投資信託)とは?
REIT(不動産投資信託)とは、不動産を証券化して証券市場で売買する投資手法です。
言い方を変えれば、投資家から集めたお金で収益を生む不動産を購入し、その不動産から得られる収益を投資家の方に分配していく金融商品になります。
そもそもREITはアメリカで誕生した投資の仕組みで、日本の不動産でREITの取引を行うときは、JapanのJをつけて「J-REIT」と呼ばれます。
J-REITは収益の90%超を分配するなどの一定の条件を満たすと、実質的に法人税が免除されるため、分配金の利回りが高いのが特徴です。
このREITは、投資する対象の不動産の種類によって次の2種類に分かれます。
- ①単一用途型
- ②複数用途
それでは、それぞれにどのような特徴があるのかみていきましょう!
①単一用途型
単一用途型とは、「住居に特化した不動産」「オフィスビルに特化した不動産」などのように、特定の用途の不動産に投資するREITです。
商業施設に特化するもの、ホテルに特化するもの、などのように様々な種類があります。
②複数用途型
複数用途型とは、「商業施設×オフィスビル」や「物流施設×商業施設×オフィスビル」などのように、複数の用途に使える不動産に投資するREITです。
この複数用途型のREITは、2つの用途に投資する「複合型」と3つの用途に投資する「総合型」の2種類のタイプがあることも押さえておきましょう。
REIT(不動産投資信託)と不動産投資の違い
REITの特徴が大まかに理解できたところで、現物を持って取引する不動産投資とはどう違うのかわからない方がほとんどだと思います。
この項では、REITと不動産投資の違いを6つのポイントに分けて解説していきます。
REITと不動産投資の違いのポイントは次の6つです。
- REITでは自分で不動産を所有しない
- REITでは自分で不動産を運用しない
- REITでは個人で所有が難しい不動産にも投資可能
- 実物不動産の利回りは物件ごとに大幅に異なる
- 所得の種類が違う
- 不動産投資ローンが使用不可
では、それぞれ1つずつみていきましょう!
①REITでは自分で不動産を所有しない
REITでは、実物を持つ不動産投資と異なり、自分で不動産を所有しません。
冒頭にREITは「不動産投資×証券」であると説明しましたが、REITは不動産を所有している会社の証券を購入することで間接的に不動産投資の利益を受け取るという構造になっています。
実物の不動産都市を行うことで、所得税の控除を受けられたりするなどの一定のメリットはあります。ですが、REITは証券取引の一種となるため、実物の不動産投資と異なり、面倒な業務のアウトソーシングが必要ないことがREITを行うことのメリットと言えますね。
②REITでは自分で不動産を運用しない
REITでは、結局的に言えば証券を購入するだけなので、実物の不動産投資で行うような管理会社への委託やリフォーム、集客などを行う必要がありません。
自分で不動産を運用する必要がなく、証券を所有しているだけで年に数回の配当金を得れますし、不動産の証券の価値が上昇すれば売却することが利益を得ることもできます。
このように考えると、日々の生活に追われている忙しい会社員の副業にぴったしの投資手法とわかりますね。
③REITでは個人で所得が難しい不動産にも投資可能
REITが投資の対象となる不動産は、オフィスビル、ヘルスケア、住居、ホテル、物流、マンションなどの多種多様に尽きます。
しかし、個人で不動産投資を行おうとすると、オフィスビルや商業施設などに投資をするのは個人の投資金では難しいでしょう。
そのため、REITでは個人で不動産投資をする場合では投資ができないような高額な不動産にも、投資家たちの力を借りて、投資信託をすることができます。
REITの大きな特徴として、プロの投資家の知識を授かりながら不動産を所得できるため、個人ではリスクのある投資もできる点があることを押さえておきましょう。
④実物不動産の利回りは物件ごとに大幅に異なる
REITの利回りは、低いもので2%で高いもので6%程度となっています。
しかし、実物を持つ不動産投資の利回りは、運用する物件によって大幅に異なります。古くて年季の入った物件では利回りが15%を超えるものもあれば、新築の新しい物件では利回りが5%程度になったりします。
実物不動産投資を行う場合は、利回りが高い場合も低い場合もピンキリですが、REITを行うことで、ある程度一定の範囲に利回りを抑えることができることを覚えておきましょう。
⑤所得の種類が違う
不動産投資を行うことで得られる収益は不動産所得に該当し、税率は最大で55%となります。損失が発生した場合は税の関釜を受けることも可能なので、国税庁のホームページをチェックしておきましょう。
しかし、REITで得られる収益は売却時の「譲渡所得(申告分離課税)」と配当金の「配当所得」に分かれます。
所得の種類が異なることで、損益通算などの税金に関する細かなことが異なってくるため、自分がどのようなケースに該当するのか詳しく調べておく必要があります。
⑥不動産投資ローンが利用不可
最後に、REITでは不動産投資ローンを利用することができません。
実物を持つ不動産投資であれば、不動産投資ローンを利用することで、自分の資産を使うことなく、家賃収入を得るための不動産を所得できます。
しかし、REITでは不動産投資ローンを利用できないため、自分の資産を利用して投資を行う必要があります。
要するに、REITを始める際には自己資産が必要な点を押さえておきましょう。
REIT(不動産投資信託)のメリットとデメリット
ここまでで、REITと実物を持つ不動産投資の違いをご理解頂けたでしょうか。
「REITにはどんなメリットとデメリットがあるの?」と疑問に感じるあなたに向けて、この項ではREITのメリットとデメリットを解説します。
まず初めに、REITのメリットからみていきましょう!
REITのメリット
REITのメリットは以下の2つです。
- 少額から投資可能
- 換金のスピードが早い
それぞれ詳しく掘り下げてみましょう。
①少額から投資可能
REITは不動産投資とは異なり、数万円単位の少額から投資をすることができます。
そのため、投資経験が少ない初心者の方でも気軽に始めることが可能です。
②換金のスピードが早い
REITは証券を現金にするまでの換金スピードが早いです。
現物の不動産投資では、不動産資産を現金に換金するには、まず不動産会社に依頼して買い手を見つけるところから始めるため、だいたい数ヶ月かかることがほとんどですね。
しかし、REITによる取引であれば、証券取引所で株式を現金化するだけなので、市場で売却するのみで済みます。
急に現金が必要になった場合を考えると、REITの方が便利ですね。
REITのデメリット
REITのデメリットは以下の2つです。
- 元本を割るリスクがある
- 不動産投資ローンが利用不可
それぞれ詳しく掘り下げてみましょう。
①元本を割るリスクがある
REITは簡単に言えば証券取引と同じで、リアルタイムに価格変動が行われています。
そのため、もし万が一購入後に不動産証券の価格が下落すると、分配金を上回る損失を発生させてしまうかもしれません。
REITを購入するときは、前後の価格変動を見て、なるべく安いタイミングで購入するように注意しておきましょう。
②不動産投資ローンが利用不可
これはREITの特徴のところでも触れましたが、REITでは不動産投資ローンを利用することができません。
実物の持つ不動産投資は投資資金をローンで借りることができます。
しかし、REITの投資資金をローンで調達することはできないので、自己資金で行う必要があることを押さえておきましょう。
REIT(不動産投資信託)に向いている人とは?
REITにも様々なメリットとデメリットがあるのですね。
最後に、「結局私はREITをやるのに向いているの?」と疑問に思う方に向けて、REITに向いている人をご紹介します。
REITは時間の無い社会人におすすめな手法なので、ぜひ当てはまる方は以下を詳しくご覧ください。
REITに向いている人は以下の3つのいずれかに当てはまる人です。
- 少額からの投資を始めたい人
- いざという時に現金化のスピードが早い方が良い人
- 投資に時間や手間をあまりかけずに収益を得たい人
では、それぞれ1つずつ詳しくみていきましょう!
①少額からの投資を始めたい人
REITは、まだ投資を始めたての初心者の方など、投資に多額をかけることを躊躇う方にぴったしです。
最低で数万円単位からの取引ができるので、実物の不動産投資とはだいぶ初期投資の額が異なってくることを押さえておきましょう。
まだまとまった収入を得難いような環境にいる方も、REITによる投資でお金を稼げるかもしれません。
②いざという時に現金化のスピードが早い方が良い人
急な出費が多い、仕事の関係上いざという時に現金化はすぐに行うたいという人はREITに向いています。
そもそも現物の不動産投資では、先述したように現金化までのスピードが数ヶ月かかってしまうことが多いです。
しかし、REITによる現金化は証券取引所で株式を売却して現金化するだけなので、比較的すぐに現金を手に取ることができます。
現金化のスピードにこだわる方はREITによる不動産投資信託を検討してみましょう。
③投資に時間や手間をあまりかけずに収益を得たい人
忙しいサラリーマンの方など、家事に追われる忙しい主婦の方など、投資にあまり時間をかけられない方もREITに向いています。
実物の不動産投資では、不動産を所得した後に集客を行なったり、リフォームを行なったり、様々な管理業務を行う必要があります。
しかし、REITでは、そのような管理業務は必要なく、不動産の証券を持っているだけで少しずつ配当金を所得可能です。
また、維持費のようなランニングコストもかからないため、余分なお金を使いたくない方にもおすすめできますね。
RETI(不動産投資信託)で効率良く投資をしよう!
本記事では、REIT(不動産投資信託)と実物を持つ不動産投資の違いを説明しました。
REITに向いている方は、日々忙しく仕事に追われているできるだけリスクをかけずに投資を行いたい方です。
実物の不動産投資では安定して家賃収入の利益を得れる可能性があることがメリットの1つですね。
どちらも不動産を媒体とする投資手法とはいえ、大きく細部が異なることが理解できたと思います。
投資をまだあまりしたことがない初心者の人こそ挑戦してみるべき投資手法です。
あなたもREITで成功を収められることを祈っています!