コロナ禍でテクノロジー企業と暗号資産関連の運用成績がトップ モーニングスターの調査

ニュースのポイント

  1. 米ファンドのモーニングスターによると、2020年の米投資信託と上場投資信託(ETF)は米テクノロジー企業と暗号資産に投資したファンドの成績が最もよかった
  2. 石油・ガス関連を中心に運用したファンドは100%近いマイナスとなった
  3. 米国株ファンドの成績上位10本のほぼ全てが、銘柄を50以下に絞った集中投資型だったという

コロナ禍の影響でテック株や暗号資産関連のファンドが活況

モーニングスターによると、今年の米投資信託と上場投資信託(ETF)は米テクノロジー企業と仮想通貨(暗号資産)に集中的に投資したファンドが最も高い成績を挙げた。コロナ禍を煽りを受け、産業全体がダメージを受けるなか、テック系企業は影響を受けにくかったのが要因だ。その一方で、需要減が続いた、石油・ガス関連を中心に運用したファンドは100%近いマイナスとなった。

全般的に、利益幅が多い高リスク資産で運用したファンドが好成績を残した。最も高いリターンを挙げたグレースケール・イーサリアム・トラストは仮想通貨イーサリアムに投資し、年初から12月9日までのリターンが333.7%と驚異的な成績を残した。

在宅勤務が増える中でテクノロジー企業も好調だった。運用成績2位のバンク・オブ・モントリオール・ミクロセクターズ・FANG+3X・レバレッジドETNと3位のバンク・オブ・モントリオール・ミクロセクターズ・FANG+2X・レバレッジドETNのリターンはそれぞれ301.9%と201.9%となった。いずれも米フェイスブックやネットフリックスなど「FANG」と呼ばれるテクノロジー株にレバレッジをかけて投資した結果が反映された。

レバレッジを活用しなかったアクティブファンドではARKイノベーションETFが143.8%と最も高いリターンを挙げ、141.4%のアメリカン・ビーコンARKトランスフォーメーショナル・イノベーション・ファンドと139.7%のモルガン・スタンレー・インスティテューショナル・ディスカバリーがこれに続いた。

モーニングスターによれば、米国株ファンドの成績上位10本のほぼ全てが組み入れ銘柄を50以下に絞った集中投資型だったという。一部では資産の10%超を単一銘柄に投資するケースも見られた。

CFRAのETF・投信調査部門トップ、トッド・ローゼンブルース氏は「運用会社が一握りの成長銘柄に大きく賭けてフルスイングすれば、ホームランを狙えるが三振するかもしれない」と、集中投資型の状況を分析している。

最も成績が振るわなかったのは石油・ガス関連株ファンドでダイレクション・デーリーS&P石油・ガスE&P2X・ETFはリターンがマイナス97.3%、ダイレクション・デーリー・ジュニア・ゴールド・マイナーズ・ベア2X・ETFはマイナス95.5%だった。コロナ禍で産業全体が停滞し、供給過剰になったことが影響したとみられる。

アクティブ運用した株式ファンドではハイランド小型株ファンドがマイナス51.1%と最大の落ち込み。コア中期債券ファンドで運用成績トップはアメリカン・ファンズ・ストラテジック債券ファンドでリターンは17.7%。米国債の組み入れ比率が約43%とベンチマークに沿った運用を行うファンドの2倍となっており、好調が続く米国株のマーケットを反映した動きがみられる。

逆に最も低調だったのはパットナム・モーゲージ・セキュリティーズAファンド。リターンにトップと約18%ポイントの差がついた。同ファンドは現金がおよそ半分を占め、米国債の割合は1%以下だったことが低調の要因として挙がっている。

モーニングスター
モーニングスターは、米国を拠点にするファンドトラッカー。投資に関する専門家を抱え、投資家の問題解決を目的とした情報発信に注力している。昨今は、ESG投資や税優遇効果のある米国の医療用貯蓄・投資口座に関連したデータ分析、データ提供を手がけている。参考:MORINGSTAR
CFRA
CFRAは、投資やビジネスに関する意思決定を支援する米国の株式調査会社。独自の調査手法に強みを持ち、ポートフォリオを強化する一方でリスクを下げるよう設計されたリサーチ提供を目指してデザインされている。参考:InteractiveBrokers
アクティブ運用
アクティブ運用は、目安となる指数を上回る成績を目指す運用スタイル。例えば、日本株で運用する投資信託の場合、日本株の代表的なインデックスである日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などのインデックスをベンチマークとし、それを上回る成績を目指す。参考:SMBC日興証券

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