「フィンテックは、あらゆる人に金融に関する知識やサービスを提供する」IMFがフィンテックの可能性などをレポート

ニュースのポイント

  1. IMFの研究者らが、過去10年間にフィンテックが台頭してきた理由について明らかにした
  2. フィンテックは、非正規雇用の労働者、地方の家庭や企業の信用評価を高めることが可能になり、フィナンシャル・インクルージョンを促進できる
  3. GAFAをはじめとしたプラットフォームは、金融サービスをエコシステムに取り込み、決済や資産管理、金融情報の提供で新興の専業プロバイダーの台頭を可能にしている

フィンテックは、金融包摂を促進する

引用元:paypay.ne.jp

FacebookやAppleなど、さまざまなテクノロジー企業が金融サービスに熱い視線を送る中、国際通貨基金(IMF)は、今後テクノロジーのどのような面が金融に革新をもたらすのかを考察してきた。

そんな中、金融危機に陥った国に資金を融資する国際機関であるIMFの研究者らは、実店舗型の銀行が衰退する一方で、過去10年間にフィンテックが台頭してきた理由について見解を明らかにした。

研究者らは、このほど公開したレポートで、ユーザーが使用しているブラウザーの種類やデバイス、個人のオンライン検索履歴や購入履歴といった金融データ以外のデータを利用して、スマートフォンやオンライン検索、ソーシャルメディアがどのように金融分野における技術革新を促進してきたかを説明した。

IMFは、フィンテックについてブログで次のように述べた。「フィンテックは、インターネット接続に利用されているブラウザーやハードウェアの種類、オンライン検索履歴、購入履歴など、金融以外のさまざまなデータを利用することでジレンマを解消する。最近の研究から、人工知能(AI)や機械学習を利用すれば、こうした非金融データソースは、従来の信用評価手法に勝る場合が多く、例えば、非正規雇用の労働者、地方の家庭や企業の信用評価を高めることが可能になり、ファイナンシャル・インクルージョン(あらゆる人に金融に関する知識やサービスを提供すること)を促進できることがわかっている」

こうした手法は、銀行が採用している従来の信用リスク評価手法よりも優れている可能性があり、非正規雇用の労働者から、熟練した技術を持つ高報酬の海外からの新たな労働者まで、銀行のサービスを受けられない人々や融資に向けて評価する手段がない人々に対して、信用評価を付与するのに役立つ可能性があると研究者らは主張している。IMFによると、世界人口で約17億人が銀行口座を持っておらず、フィンテックの意義は大きいという。

フィンテックや、信用度を評価するための代替となる情報の利用は、新しい手段ではない。そのためIMFは、FacebookやAmazonのような企業が顧客の経済状況を銀行よりも詳細に把握し始める可能性がある中、従来型の銀行以外の市場の進化とそのポリシーが及ぼす影響を研究しているにすぎない。

IMFのブログでは、従来の銀行の枠組みを越えて事業を展開するプラットフォーマーに対し、次のように言及している。「消費者の日常生活の大部分に浸透し、デジタルフットプリントと利用可能なデータを増やしてきたソーシャルメディアやモバイル通信、オンラインショッピングのさまざまなデジタルプラットフォームによって、コミュニケーション革命が促進されている」

さらに、金融業界の情勢についても、こう表現した。「AmazonやFacebook、阿里巴巴(アリババ)のようなプラットフォームは、さらなる金融サービスをエコシステムに取り込み、決済や資産管理、金融情報の提供で銀行と競合する新興の専業プロバイダーの台頭を可能にしている」

国際通貨基金(IMF)
国際通貨基金(IMF)は、加盟国の為替政策の監視や、国際収支が悪化した加盟国に対する融資を通じて、国際貿易の促進や為替の安定などを図る国際機関。2020年10月末現在で、190カ国が加盟している。参考:日本銀行
フィンテック
フィンテックは、金融と技術を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を組み合わせたさまざまな革新的な動きを指す。スマートフォンを使った送金や、分散型台帳技術などが、フィンテックに該当するとされる。参考:日本銀行
フィナンシャル・インクルージョン
フィナンシャル・インクルージョン(金融包摂)は、貧困や難民にかかわらず、誰もが取り残されることなく、金融サービスへのアクセスが出来、金融サービスの恩恵が受けられるようになることを意味する。貧困層に対する少額の融資をするマイクロファイナンスや、ソーシャルメディアなどのアカウントで本人確認が行える貧困層向けのクレジットカードなどが、フィナンシャル・インクルージョンの事例に当たる。参考:IDEAS FOR GOOD

関連記事

ページ上部へ戻る