NTTファイナンスが普通社債を起債 発行総額は過去最大の1兆円

ニュースのポイント

  1. NTTファイナンスが、4本立ての社債の発行条件を決めた
  2. 発行総額は、一度の起債額として最高の1兆円
  3. 最終需要は、発行額の2.4倍に膨らんだ

最終需要は異例の2.4倍

NTT本社 引用元:newswich.jp

NTTの子会社NTTファイナンスが11日、4本立て社債の発行条件を決めた。投資家の需要に応じて発行額を積み増し、発行総額は一度の起債額として国内最大の1兆円に確定した。これまでの最大は、パナソニックなどの5000億円で、桁外れの巨額となった。最終需要は2兆4000億円を超え、旺盛な投資マネーが確認され、投資家からは「希望額の半分も買えなかった」とする声が漏れた。

需要が強く希望額に比べて配分はかなり少なかったと、今回債を購入したある投資家が明かす。購入した投資家は、都銀や生損保、中央公的機関など幅広く、海外も含めて多くの投資家が参加し、累計の販売先は1000件を超えた。人気を集めた10年債は、4000億円の発行額に対し、1兆円の需要を集め、販売先は550件に上ったという。

その結果、最終需要額は異例の水準に。主幹事のSMBC日興証券によると、NTTFは4本合わせた最終需要が発行額の約2.4倍に当たる2兆4400億円程度になった。2020年度の国内起債総額(約11兆7000億円)の約2割に相当する金額を単独で集めた格好だ。

人気だった背景の1つに、利率の高さがある。NTTFは日本格付研究所(JCR)で「AAA」と日本国債と同じ高格付けで、今回債はNTTの保証が付く。その上、当初から総額5000億円以上の発行を目指し、格付け対比で魅力的な発行条件を提示した。例えば、10年債の利率は、0.38%で20年物国債の利回りとほぼ並ぶ水準だった。この理由として、国内通信インフラを本業とし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も小さく業績が安定しやすいNTTグループの事業性が影響しているという。

国内債については当初、発行予定額が5000億円程度だったが、早々に7000億円程度に増額して、最終的(12月7日時点)には1兆円で内定した。NTT広報室の荒巻優三氏は、当初は借り入れや資産の流動化など様々な調達を検討していたとした上で、需要調査を通じて「NTTの保証が付いたためか、旺盛な需要が確認できたため1兆円への増額を決めた」と説明。最初から1兆円を発行できるとは思わなかったといい、「需要があったことはありがたい」と語っている。

国内初の1兆円案件は、総額3500億円の普通社債の条件を決めたセブン&アイ・ホールディングスなど、11月から国内市場で大型起債が相次ぐ中での登場となった。年内には、パナソニックも最大2000億円の4本立て債の起債を予定している。

足元は日本銀行による社債買い入れで中期債を中心に社債需給が引き締まりやすい環境で、通常より大きな金額を投資できる大型案件は投資家の関心を集めやすい傾向にある。みずほ証券プロダクツ本部の戸高洋祐副本部長は電子メールで、最近の株価上昇で株売り・債券買いニーズがあるとみられる中、7&iHDやNTTFなど希少性のある銘柄には、通常は社債投資をしないような投資家の参加もあったと答えている。

NTTは今回の調達資金をNTTドコモの完全子会社化のための資金の一部に充てる。一度の起債額としての過去最高を塗り替え、日本の社債市場に新たな1ページを加えたNTTF債。前出の投資家はNTTFの巨額起債を受けて、投資家界隈における次の照準は早くも来週後半に総額2000億円を上限に起債するとしたパナソニック債に定まっているとされている。

社債
社債は、一般の企業が発行する債券。発行企業の財務状況やビジネス環境など、さまざまな要因によって利回り、価格が決まる。一般に社債の利回りは、発行通貨の国際利回りに加え、個別企業の信用リスクなどを反映した追加的な利回りを提供するほか、事業セクターや年限、格付といった多岐にわたる投資機会を投資家にもたらすなどし、社債は投資家にとって重要な資産クラスとなっている。参考:PIMCO
日本格付研究所
日本格付研究所は、日本の格付け会社。国債や社債の利回りや償還能力について、財務調査などを通じて評価している。基本的には、長期格付けはトリプルAが最高位で、トリプルBまでが「投資適格」と呼ばれている。それ以下は、「投機的格付け」とされている。参考:三井住友DSアセットマネジメント
中期債
中期国債は、償還期間が1年超5年以下の国債。参考:大和証券

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