ドン・キホーテ運営会社 前社長が金融商品取引法違反の疑いで逮捕 知人に自社株の購入を…

ニュースのポイント

  1. ディスカウント大手のドン・キホーテの前社長大原孝治容疑者が金融商品取引法違反の疑いで逮捕された
  2. 東京地検特捜部によると、大原容疑者は2018年9月、株式公開買い付けなどの内部情報が公開される前に、知人男性に自社株の購入を勧めた疑い
  3. 勧誘を受けた男性は、買い付けた株を高値で売り抜け、数千万円の利益を得たという

ドン・キホーテの運営会社前社長が、金融商品取引法違反の疑いで逮捕

引用元:www3.nhk.or.jp

ディスカウントストア大手の「ドン・キホーテ」の運営会社の前社長、大原孝治容疑者(57)が、TOB=株式公開買い付けなどの内部情報が公表される前に、知人に自社の株を購入するよう勧めたとして金融商品取引法違反の取引推奨の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。関係者によると、知人は7万5000株の売買で数千万円の利益を得たという。特捜部などは詳しい経緯を調べている。大原容疑者は、「不正をしていない」と容疑を否認しているという。

「ドンキホーテホールディングス」は2018年10月、TOB=株式公開買い付けで、流通大手の「ユニー・ファミリーマートホールディングス」のグループ会社になることなど、両社の連携を強化する計画を発表したが、東京地検特捜部によると、大原前社長はこの計画が公表される前の同9月、知人の男性に自社の株を購入するよう勧めたとして金融商品取引法違反の取引推奨の疑いが持たれている。

金融商品取引法では上場企業の役員などが、株価に影響する企業の内部情報の公表前に、株を売買するインサイダー取引のほか、内部情報を伝えずに利益を得させる目的で株の買い付けなどを勧める行為も取引推奨として禁じている。しかし、大原容疑者から株の購入を勧められた知人は、4億3000万円で買い付けた株を高値で売り抜け数千万円の利益を得たといい、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は詳しい経緯について実態解明を進める方針でいるという。

「取引推奨」とは何か?

「取引推奨」はTOB=株式公開買い付けなど株価に影響する公表前の内部情報を知る上場企業の役員などが他人に利益を得させる目的で株の買い付けなどを勧めるものだ。2014年の金融商品取引法の改正で新たに刑事罰や課徴金の対象となり、情報の内容を伝えていなくても相手が株を売買すれば、5年以下の懲役や500万円以下の罰金などが科される。

証券取引等監視委員会によると、これまでに刑事告発されたのは、東証1部上場の電子部品メーカーの元社外取締役が知人4人に株の買い付けを勧めたとされる1件のみ。行政処分の課徴金が命じられたケースが6件あるという。

しかし、「取引推奨」がインサイダー取引規制の対象になっていることは企業の間で周知が進んでおらず、昨年度、監視委員会が課徴金勧告を行った3件のケースでは、いずれの会社も社内規定に「取引推奨」についての記載を盛り込んでいなかったことが、要因となっているという。

監視委員会は、「『取引推奨』によって刑事罰の対象になれば、企業は投資家や消費者から厳しい目が向けられ、結果として市場からの信頼を失う可能性が高い。『取引推奨』についての理解が不足していないか社内の管理態勢を確認し防止に努めてほしい」と呼びかけている。

TOBが、ドンキホーテHDの株価に与えた影響は?


当時の「ドンキホーテホールディングス」は201810月11日、「ユニー・ファミリーマートホールディングス」との連携強化策を発表。総合スーパー「ユニー」の株式を買い取り、完全子会社にするとともに、「ユニー・ファミリーマートホールディングス」が実施するTOB=株式公開買い付けに応じ、「ユニー・ファミリーマートホールディングス」のグループ会社になるという内容を公表した。

特捜部の調べによると、大原前社長は、同年の8月上旬ごろにTOBなどの情報を知ったということで、公表前の9月上旬から下旬までの間、知人の男性に複数回にわたって「ドンキホーテホールディングス」の株を購入するよう勧めたという。

知人は9月上旬から10月上旬までの間に、およそ4億3000万円で7万6500株を買い付けたという。10月11日の連携強化策の公表後、前日に6050円だった「ドンキホーテホールディングス」の株価は大きく上昇した。

関係者によると、知人の男性は買い付けた株を高値で売り抜けた結果、数千万円の利益を得たとのこと。しかし、TOBは、2018年11月7日から12月19日まで行われたが、株価の市場価格が買い付け価格の6600円を上回る水準で推移し、不調に終わっている。

金融商品取引法
金融商品取引法は、株や投資信託といった有価証券の発行、売買などの金融取引の公正を図るとともに、投資家の保護や経済の円滑化を図るために定められた法律。証券取引法の改正によって、2006年に成立した。投資性が強い金融商品に対する投資家保護法性の構築、開示制度の拡充、インサイダー取引など不公正取引への対応が盛り込まれている。参考:SMBC日興証券
株式公開買い付け
株式公開買い付けは、相手企業を買収したい企業や関連会社・子会社への支配権を高めたい企業が、相手企業の株式を市場外で買い集める手法。市場で株式を買い集めるよりも、一定の資金で多くの株式を集めやすく、経営改善によって株価を上げて売却益を得るために経営権を取得したりするなどの目的がある。参考:M&A総合研究所
ユニー・ファミリーマートホールディングス
ユニーファミマHDは2016年9月、ファミリーマートと旧ユニーグループHDが経営統合して発足した流通大手。2019年1月に総合スーパー部門のユニーを、ドン・キホーテHDに売却したほか、同9月1日付で事業会社ファミリーマートと吸収合併し、社名もファミリーマートに変更していた。参考:日本経済新聞
取引推奨
取引推奨は、株式公開買い付けなど株価に影響を与える重要事実を知った会社関係者が、公表前に利益を得させる目的で他人に株式の売買を勧める行為。法定刑は5年以下の懲役または500万円以下の罰金で、法人の両罰規定もある。参考:時事通信

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