米ISM非製造業景況指数 12月は予想外の上昇 雇用は縮小

ニュースのポイント

  1. 米供給管理協会(ISM)が発表した2020年12月の非製造業景況感指数は、前月と比べて1.2ポイント高い57.2だった
  2. 新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2020年2月の水準に戻った
  3. 景気と新規受注が上向いた一方、雇用は50を割り込んだ

サービス業の景況感が3カ月ぶりに上昇

ISM非製造業景況感指数の推移 引用元:bloomberg.co.jp

全米供給管理協会(ISM)が7日に発表した2020年12月の非製造業景況感指数は、前月より1.3ポイント多い57.2と、11月の55.9から上昇した。活動拡大が予想外に加速した結果、好不況の判断の節目となる50を上回り、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2020年2月の水準に迫った。前月比で上昇するのは3ヵ月ぶり。

12月は、娯楽や宿泊・飲食サービスなどの4業種で景況感の低下が記録されたが、建設や公益、輸送など14業種で景況感が改善。新型コロナウイルスの感染拡大や一部州での活動制限強化にもかかわらず、サービス業の活動が勢いを増した模様だ。

主な構成指数別では、景況指数が前月比1.4ポイント増の59.4、新規受注が同1.3ポイント増の58.5となり、前月からの上昇を記録した。一方、雇用は同3.3ポイント減の48.2で、再び好況・不況の節目となる50を割り込んだ。雇用は、4カ月ぶりとなる活動縮小で、新型コロナのパンデミックによる活動の制限強化が、飲食業を中心に労働市場を抑制していることを浮き彫りにした。

なお、景況や新規受注に並び、入荷遅延の指数の上昇も全体の指数を押し上げた。製造業者と同じくサービス業者でも、コロナ関連のサプライチェーン混乱でリードタイムが長期化した可能性があるという。

ISM非製造業景況感調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は、「景況と経済に関する回答企業の回答はまちまちだ」と発表文で説明。「自治体および州レベルのさまざまな新型コロナ関連の制限措置がなおも企業・各業界に悪影響を及ぼしている」と分析した。

米上下院でこのほど2020年末に追加経済対策が成立。また、バイデン次期大統領は、就任後に家計へ の現金給付や失業対策を中心とした追加の経済対策を実施する意向を示しており、米景気 の早期回復が期待される。米国内でもワクチン接種が開始され、感染抑制への期待が高まるものの、ワクチン普及が想定よりも遅れていることなどから、経済活動の正常化まで時間がかかるとみられる。

経済活動の停滞が続けば、店舗の入店制限や営業時間の短縮などの活動制限が長引き、サービス業の景況感は再び低下することも予想される。

米供給管理協会(ISM)
米供給管理協会(ISM)は、米国で最も権威のある職業組織。1915年に設立され、米購買管理協会という名称を経て2002年に米国産業界の発展・進化を背景に現名称となった。資材調達や購買情報といったサプライチェーンマネージメントの向上を目的に、教育・調査研究・情報提供などの業務を行っている。参考:野村證券
非製造業総合景況指数
非製造業景況感指数は、ISMがサービス業を中心とする非製造業の購買担当者へのアンケート調査結果をもとに、毎月公表している米国の非製造業の景況感の1つ。米国GDPで非製造業は、全体の約7割を占めることから、製造業景況感指数より重要と考える投資家も多いとされる。50が景気の拡大、後退の分岐点であり、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示す参考:ニッセイアセットマネジメント

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