バイデン次期大統領の対中政策、ケリー元国務長官の動向が焦点

ニュースのポイント

  1. バイデン次期米政権の対中政策は、気候問題担当大統領大使に起用されるケリー元国務長官の動向が焦点となる
  2. 政策の優先課題に位置付けられる気候変動対策で中国との連携が欠かせないためだ
  3. 一方で、国家安全保障会議に出席するケリー氏の役割が不明瞭な点が懸念材料となっている

対中政策、競争か強調か

次期米政権で気候問題担当大統領特史に起用されるジョン・フォーブス・ケリー氏 引用元:trafficnews.jp

バイデン次期米政権の対中政策は、競争と協調の間で揺れ動くとの予想が立っている。国際ルールの順守を求め、人権問題で厳しく臨む方針を示す一方で、政権の優先課題に位置付ける気候変動対策では中国との連携が欠かせないためだ。気候問題担当大統領特使に起用されるケリー元国務長官の動向が、政策路線の鍵を握る。

バイデン次期大統領は昨年末、外交政策について演説し、不公正貿易や人権問題で「中国政府に責任を負わせる」と強調した。中道路線ではなく、中国を競争相手と見なし、強硬姿勢で臨む方針を打ち出した。同盟国と協力体制を築くことで「米国の立場ははるかに強固になる」とも指摘。トランプ大統領の「米国第一」から国際協調路線に転換すれば、中国への圧力は強まるとの考えを表面した形だ。

サリバン次期大統領補佐官(国家安全保障担当)はツイッターで、中国による香港統制強化を踏まえ「香港の自由への攻撃に対して同盟国と団結する」と主張。ワイン輸出で中国の制裁関税を課されるオーストラリアへの支援も明言し、対中けん制を始めている。

一方、協調路線を志向するとみられるのがケリー氏だ。NBCテレビのインタビューで「(温暖化対策は)われわれ同様、中国にとっても必要不可欠だ」と述べ、対話に意欲を示す。気候問題での対中交渉を重視するあまり、南シナ海情勢などで穏健な対応を主張する可能性も示唆される。米誌アトランティック(電子版)は、政権との足並みが合わず、「(ケリー氏が)対中政策に関して問題を引き起こすかもしれない」とみている。

閣僚級で国家安全保障会議(NSC)に出席するケリー氏の役割が不明確な点も懸念材料にあがる。国務長官に起用されるブリンケン氏はオバマ前政権時の部下でもあり、ケリー氏が外交を統括するブリンケン氏の領分を侵し、対中政策全般に口を挟む恐れがあるという。

外交方針をめぐっては、超党派で対中強硬姿勢を強める米議会の影響も看過できない。昨年は香港統制強化やウイグル族弾圧などに関わった中国当局者に制裁を求める法案を可決。トランプ氏は人権問題での対中圧力には消極的だったが、法律成立を受けて制裁に踏み切った経緯がある。議会は、次期政権下でも中国への圧力強化を目指す法案を提出し続ける可能性が大きい。

バイデン次期米政権の対中政策
バイデン次期米政権の対中政策は、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)といった中国のハイテク大手へのトランプ政権による厳しい政策路線を踏襲する可能性が高いとされている。米機会に超党派の反中感情があるためだ。同盟国との協調路線に戻って中国に国際ルールを順守するよう求めるほか、気候問題や人権問題においてトランプ氏よりも中国に強調路線で臨むと約束している。参考:ロイター
ジョン・ケリー
ジョン・フォーブズ・ケリーは、米国の政治家・法曹。バラク・オバマ政権で第68代国務長官を務めたほか、マサチューセッツ州選出の米国上院議員・上院外交委員会委員長を歴任している。2021年1月発足予定のジョー・バイデン政権において新設される気候問題担当大統領特別大使に指名されている。参考:weblio辞書
国家安全保障会議(NSC)
国家安全保障会議は、国家安全保障法によって設置された大統領直属の諮問機関。正副大統領、国務長官、国防長官で構成され、安全保障政策の立案や情報集約、危機管理、関係各省庁間の統合調整を進め、大統領に助言する。参考:コトバンク

関連記事

ページ上部へ戻る