米国債の利回り格差が顕著 イールドカーブが2015年以来の急傾斜に

ニュースのポイント

  1. 米国債の各年限の利回りをつないだイールドカーブの傾きが急になっている
  2. 5年債と30年債の利回り格差が一段と広がり、2015年10月以来の大きさとなった
  3. 米国債のイールドカーブは、11月の大統領選で勝利した民主党政権による財政支出拡大への思惑から、スティープ化が進んでいた

止まらないスティープ化

引用元:bloomberg.co.jp

4日の米国債市場で、市場関係者が注目する5年債と30年債の利回り格差が一段と広がり、2015年10月以来の大きさを記録した。昨秋から11月の米大統領選と米議会選で野党・民主党が勝利すれば、財政拡大、国債増発につながるとの懸念から米国債のスティープ化が進んでいたが、顕著に利回り格差が現れた。

利回り格差は一時147.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大。10月9日に記録した30年債と20年債の利回り差の0.23%に及ばないものの、高水準を記録したことになる。

イールドカーブ(利回り曲線)のさらなるスティープ化は、米国だけでなく、英債券市場主導でもたらされた。新型コロナウイルスワクチン接種が英国で精力的に進められる中、イングランド銀行(英中央銀行)は同国の景気が急回復に向かうとの見解を明示。年限が長めの英国債はこれを受けて軟調となった模様だ。

ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントでポートフォリオマネージャーを務めるトレーシー・チェン氏は「リフレトレード(金融政策)が徐々に展開されている」と指摘。「成長見通しが勢いを得つつある。ワクチン接種が徐々に広がっており、9月までに集団免疫を獲得できるかもしれない。米経済対策パッケージを含め、数多くの前向きなニュースがやってくる」としている。

米10年債利回りは4日、一時2bp上昇の約1.16%と、昨年3月以来の高水準近辺に位置した。チェン氏は長期債利回りが今後も上昇を続けると予想。現在1.94%近辺の米30年債利回りは、年内に「容易に」2%に達するとの見方を示している。

英国債市場ではこの日、5年債と30年債の利回り格差が97bpと、18年12月以来の大きさに拡大した。

イールドカーブ
イールドカーブは、債券の利回りと償還期間との相関性を示したグラフ。利回り曲線とも言われ、金利の期間構造を表し、債券投資で重要視される指標の1つとされる。右上がりの時に順イールド、右下がりの時を逆イールドという。金融緩和時、平常時には順イールドを形成する一方、金融引き締め時は逆イールドを形成する傾向がある。参考:大和証券
米国債
米国債は、「米国財務省証券」と呼ばれ、米国財務省が発行する国債。国の財政資金の不足を補うために発行されるが、世界最大の売買料と発行残高を誇る上、流動性と信頼性が高く、為替リスクを考慮しても、魅力のある債券としてみなされている。参考:東海東京証券

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