WHO脱退取り下げやマスク着用義務化など、バイデン氏が大統領令15件に署名

ニュースのポイント

  1. バイデン米大統領が20日、トランプ前大統領が決定した世界保健機関(WHO)脱退の手続きを取り下げるよう命じる大統領令を出した
  2. 新型コロナウイルス感染防止策として、連邦職員や連邦施設来訪者にマスク着用を義務付ける文書にも署名した
  3. 前政権が不法移民防止策として、メキシコ国境で進めていた壁の建設についても実施停止の方針も示した

国際協調の方針、鮮明に

ワシントンの米連邦議会議事堂で、閣僚指名などに関する文書に署名するバイデン大統領 引用元:jiji.com

バイデン米大統領が20日、トランプ前政権が決定した世界保健機関(WHO)脱退の手続きを取り下げるよう命じる大統領令を出した。また、新型コロナウイルス感染防止策として、連邦職員や連邦施設来訪者にマスク着用を義務付ける文書のほか、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する大統領にも署名。大統領就任前から訴えていた国際協調を全面に打ち出す形となった。

記者会見したサキ大統領報道官によると、バイデン氏は20日、大統領令など15の文書に署名。新型コロナや地球温暖化対策、移民政策など幅広い分野にわたり、強権的な施策が目立ったトランプ前政権の方針から脱却する姿勢を就任初日から打ち出した。

トランプ前大統領は昨年5月、新型コロナをめぐるWHOの対応を「中国寄り」と批判して脱退を表明し、同7月に正式に通知していた。サキ氏は、大統領の首席医療顧問を務めるファウチ国立アレルギー感染症研究所長が「21日にリモート開催されるWHO会合に参加する」と明らかにした。

最優先事項に据えるコロナ対策では、連邦政府が所有する施設でマスクの着用を100日間義務付け、州・地方政府も同調するよう求めた。ホワイトハウスの感染症対策を担う組織を復活させるほか、学生ローンの支払いや住宅立ち退き措置の猶予延長も盛り込んだ。

パリ協定復帰に関しては、国連への通知をすでにしており、30日後に正式な加盟国となる見通し。同協定は先進国、開発途上国問わず、参加国がそれぞれ温暖化ガスの排出量を減らすことを目的だが、トランプ大統領が不公正だとして2020年11月4日に脱退していた。バイデン氏はまた、子供時代に親などに連れられて不法入国した移民の救済措置について、国土安全保障省に強化を指示した。トランプ前政権は同措置の廃止を掲げていた。

さらに、不法移民防止策として前政権がメキシコ国境で進めていた壁の建設に関し、国家非常事態宣言を根拠とした予算転用を停止。宣言を取り消して建設を事実上、ストップさせる狙いだ。前政権の閉鎖的な移民政策と見なされた、中東やアフリカといったイスラム圏諸国などからの入国規制も、「憎悪と外国嫌いに基づく政策だ」(サキ氏)として撤廃する方針。

大統領令
大統領令は、米国の大統領が軍を含む連邦政府機関に対して独断で出すことができる命令や権限のこと。初代大統領のジョージ・ワシントン以来、すべての大統領が発令している。大統領令は法律と同等の効力を持つが、法律と異なり、米国の上院と下院の審議を経ずに実施される。一方で、米国議会や最高裁判所が大統領令を不適当だと判断した場合は、それぞれの機関が大統領を無効とする法律の発効や違憲判決をするなどの歯止めをかける仕組みもある。参考:野村證券
米国のWHO脱退方針
トランプ前大統領は2020年7月、新型コロナの感染拡大を巡り、「WHOは中国が主張する偽情報を広めた」などと批判し、WHOから脱退する方針を国連に正式通告した。米国はWHOに対する資金の最大拠出国で、脱退による悪影響が多方面から不安視されていた。参考:日本経済新聞

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