長期金利上昇、約5年振りの高水準に 市場は日銀の対応を注視

ニュースのポイント

  1. 10年物国債の利回りが一時0.175%まで上昇、マイナス金利導入後最高水準を更新した
  2. 背景には前日の米国市場で長期金利が急上昇したことがある
  3. 市場では、日銀が18年7月以来となる長期金利の変動幅拡大に踏み切るのではとの観測が高まっている

一時0.175%まで上昇、マイナス金利導入後最高水準を更新

引用元:Bloomberg

26日、東京債券市場で長期金利の指標とされる10年物国債の利回りが急上昇した。一時、0.175%を付け、2016年のマイナス金利政策導入後の最高水準を5年1か月振りに更新した。背景には、前日の米国市場で長期金利が急上昇したことがある。市場では、日銀が3月に発表する政策点検で、長期金利の変動許容幅を拡大するとの思惑もあり、目先の金利上昇にどう対応するか注目が集まっている。

日銀は昨年12月の金融政策決定会合で、次回の3月18、19日の会合をめどに「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行う」と表明。市場では、日銀が同会合で18年7月以来となる長期金利の変動幅拡大に踏み切るのではとの観測が高まっている。

これまでの長期金利の推移としては、16年1月に日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の導入を決定した際には、それまで0.2%台で推移していたが急低下。また、同年9月に長短金利操作を導入し、18年7月に長期金利の変動許容幅を従来のプラスマイナス0.1%の2倍に拡大した。長期金利はその後、マイナス金利導入後の高水準となる0.155%を付ける局面もあったが、今月に入るまでの2年間は0.1%を下回る水準で推移していた。

黒田日銀総裁は衆院財務金融委員会で、「長短金利操作の枠組み自体はよく機能しており、政策点検で変えるつもりはない」とした上で、「資産買い入れのやり方や内容は効果と作用を点検し、より効果的で持続可能なものにしていきたい」と語った。また、麻生太郎財務相は閣議後会見で、足元の金利上昇について「現時点で適切だ適切でないとコメントしない」と述べた。

マイナス金利
民間の金融機関が中央銀行(日本では日銀)に預けている預金金利をマイナスにすることです。金利のマイナス化により、預金者が金利を支払うことになります。
日銀のマイナス金利政策は、2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」として導入されました。日銀のマイナス金利政策でマイナス金利が適用されるのは、金融機関が持つ日銀の当座預金のごく一部です。日銀はマイナス金利政策によって、金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくすることで、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促し、経済活性化とデフレ脱却を目指しています。参考:SMBC日興証券
金融政策決定会合
日本銀行が原則として年8回、2日間に渡って開催し、金融政策の方向性や政策金利の上げ下げなどの金融政策運営を討議・決定する会合。具体的な議事内容として、金融市場調節の方針、金融政策判断の基礎資料となる経済および金融情勢に関する基本的見解、基準割引率および基準貸付利率や準備預金制度の準備率などを討議・決定します。いわゆる「利上げ・利下げ」を決定する会議です。参加メンバーは政策委員(総裁、2名の副総裁、6名の審議委員の計9名)ですが、財務省や内閣府などの政府関係者が参加して意見を述べることも認められています(ただし、議決権はありません)。参考:SMBC日興証券

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