金融庁、銀行の広告ビジネス解禁へ 口座情報やクレジットカードの利用履歴を広告に活用

ニュースのポイント

  1. 金融庁が検討している銀行の業務範囲などに関する規制緩和案が明らかになった。
  2. 銀行の広告ビジネスを解禁し、銀行が持つ口座情報やクレジットカードの利用履歴を広告に活用できるようになる。
  3. 自行のITシステムの他行への販売や人材派遣業を銀行が経営することも可能になる見通し。

銀行の業務範囲などの抜本的な規制緩和案が明らかに


1日、金融庁が検討している銀行の業務範囲などの規制緩和案が明らかになった。今回の規制緩和案の大きな柱は、銀行の顧客データを活用した広告ビジネスの解禁だ。銀行の業務範囲については、顧客の預金をリスクから守るために銀行法で厳しく規制されている。

ただ、フィンテックが急拡大を見せる中、異業種が電子決済サービスに相次いで参入するなど競争は激化し、超低金利の長期化に伴い銀行の収益環境は悪化した。今回、抜本的な規制緩和をすることによって、銀行のビジネスモデルの再構築を後押しし新型コロナウイルス終息後の日本経済立て直しへの貢献を促す構え。金融審議会のワーキング・グループが年内にまとめる報告書案に盛り込む見通しだ。

銀行が持つ口座情報やクレジットカードの利用履歴の広告活用が可能に

広告ビジネスでは、銀行が持つ顧客の口座情報やクレジットカードの利用履歴などを広告に活用できるようにする。これにより、たとえば、インターネットバンキングの画面に年代や性別、購買履歴などの属性に合った広告を掲載するサービスを企業に販売することも可能となる見込みだ。銀行の持つ情報を広告に活用することに関しては、メガバンクから特に強い要望が出されていた。

ITシステムの販売や人材派遣業の経営も

また、今回の規制緩和案では、自行のITシステムを地方銀行などに販売することや登録型の人材派遣業を銀行が経営することも可能になる見通し。さらに、非上場の地域活性化会社に100%出資できるようにする。

このような抜本的な規制緩和の背景には、悪化した銀行の収益性を高め経営基盤を強化することによって、新型コロナウイルス終息後の日本経済全体や地方経済の回復につなげる狙いがあると見られる。

金融審議会
国内金融関係の重要事項について調査・審議することを目的に設置された内閣総理大臣、金融庁長官および財務大臣の諮問機関。金融制度ワーキング・グループ、市場ワーキング・グループ、ディスクロージャーワーキング・グループなど、さまざまなワーキング・グループが設けられ、調査・審議を行っている。1998年に現在の金融庁である金融監督庁が設置されたときに、従来の金融制度審議会、証券取引審議会、保険審議会を統合する形で作られた。参考:三井住友DSアセットマネジメント
フィンテック
金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスとITの技術を掛け合わせたさまざまな技術革新を指す言葉。スマートフォンを使った送金や着金、「ビットコイン」をはじめとする仮想通貨、「PayPay」や「LINE Pay」といったQRコード決済サービスなどがフィンテックの代表例。参考:日本銀行

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