アジアや欧州で中銀が債券市場の鎮静化に 米国債利回り急上昇で

ニュースのポイント

  1. 米国債利回りの急上昇を受けて、オーストラリア、韓国の中銀は国債の買い入れを発表した
  2. 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は「利回り上昇が成長損なうようなら追加措置が必要」と発言した
  3. その後、債券市場は少し落ち着きを取り戻した

オーストラリア、韓国の中銀は国債の買い入れを発表、ECBは追加措置に言及

引用元:Bloomberg

米国債利回りが25日、1.6%に急上昇し1年振りの高水準に達したこと受け、アジアと欧州の中央銀行は債券市場混乱の鎮静化に動いた。

まず、オーストラリア準備銀行(中銀)は3年物国債30億豪ドル(約2500億円)相当を26日の予定外のオペで買い入れると発表。その後、韓国は今後数か月をかけての購入計画を打ち出した。また、欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、「利回り上昇が成長を損なうならば追加措置が必要かもしれない」と発言した。

日本銀行の黒田東彦総裁は、長期金利を誘導目標のゼロ%程度から上げていくことはないとし、「イールドカーブ全体を低位で安定させることが重要だ」と述べた。

各中銀の対応は債券投資家を落ち着かせたようにも見えるが、景気回復のペースを巡るトレーダーと中銀の深い認識の差は縮まりそうにないように見られる。みずほ銀行の経済・戦略責任者、ビシュヌ・バラサン(シンガポール在勤)氏は、Bloombergの取材に対し「今はリフレを抑制することが必要だ。中銀は利回りの急激な上昇と闘っている。中銀の信頼性もかかっている。緩和的な政策を維持したいならば、市場が暴走しているように見える時には行動しなければならない」と語った。

豪中銀が購入に踏み切った後、3年債の利回りは落ち着き、米時間25日に1.61%に達していた米10年債利回りも低下。また、シュナーベル氏の発言後にはドイツ30年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、0.19%となるなど一定の効果は得られたようだ。

イールドカーブ
債券の利回り(金利)と償還期間との相関性を示したグラフで、横軸に償還までの期間、縦軸に利回りを用いた曲線グラフのこと。
利回り曲線ともいい、金利の期間構造を表し、債券投資で重要視される指標のひとつです。右上がり(償還までの期間が長いほど利回りが高い)のときを順イールド、右下がり(償還までの期間が短いほど利回りが高い)のときを逆イールドといいいます。金融緩和時、平常時には順イールドを形成し、金融引き締め時には逆イールドを形成することが多く、イールドカーブの形状変化として、傾きが大きくなることをスティープ化、逆に傾きが小さくなることをフラット化といいます。参考:大和証券
リフレ
デフレーションから抜け出たが、本格的なインフレーションには達していない状態のこと。日本語では通貨再膨張とも訳される[1]。あるいは正常と考えられる物価水準よりも低下している物価を引き上げて安定させ、不況を克服しようとする政策そのものをさすこともあり、統制インフレーションとも言う[2]。リフレーション政策(リフレ政策)は後者を現象としてのリフレーションと区別して言う語。参考:Wikipedia

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