トルコ、ロシア製ミサイル導入に「後戻りしない」 米国の措置に対しては対抗措置

ニュースのポイント

  1. トルコのチャブシオール外相は17日、ロシア製地対空ミサイル「S400」の導入について、後戻りしないと主張
  2. チャブシオール外相は、トルコの防衛産業が外務省と法務省とともに、米国の制裁の打撃を検証しており、その結論によって対抗措置を決めるという
  3. 2016年にクーデター未遂を指導したとみられる在米イスラム指導者ギュレン師の送還に関する要求に「米国が応じなければならない」とした

トルコの外相がロシア製地対空ミサイル「S400」の導入について後悔しないと明言

引用元:jiji.com

トルコのチャブシオール外相が17日、2019年夏に購入していたロシア製地対空ミサイル「S400」の導入について、後戻りしないと述べたほか、米国の制裁を精査した上で対抗措置を講じると主張した。トルコは2020年10月、すでにトルコ北部の黒海近くでテストラウンドが行われており、今回の声明でS400の実践使用も辞さない姿勢を鮮明にした。

米国は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコがS400を導入したことを巡り、米議会で共和、民主両党がトルコへ厳しい措置を求めていたが、14日にS400の購入に関してトルコ大統領府傘下の国防産業庁(SSB)とデミルSSB長官、幹部3人を対象に制裁を科した。この制裁により、SSBは、米輸出入銀行を含む国際金融機関から融資を受けられなくなる。

米国による経済制裁を受け、チャブシオール外相は、トルコの防衛産業が外務省と法務省とともに制裁の打撃を検証中だ。検証の結論によって対抗措置を決めると述べた。放送局Kanal24に対して「検証結果に合わせた措置を講じる」とし、「制裁が厳しくないか厳しいかは重要でない。制裁自体が間違っている」と主張した。「制裁の内容をみると、トルコを根底から揺るがすものでも大きな影響を与えるものでもない」と語った。

トルコは、S400導入の理由について、「北大西洋条約機構(NATO)から満足できる条件で防衛兵器を入手することができなかったため、必要に迫られて購入した」としている。チャブシオール氏は「後戻りする場合は、すでに後戻りしている」と、経済制裁への対抗とする意味合いを暗示した。

そうした中、米国はS400がF35戦闘機や、NATOの広範な防衛システムに脅威となると主張。トルコはこうした見方を否定しており、S400をNATOのシステムに導入しないと述べている。

SSBのデミル長官はトルコの国営アナドル通信に対して、制裁が既存の契約に影響することはなく、限られた一部のトルコ企業しか対象となっていないと話し、制裁の影響を軽視する見方を示した。

チャブシオール氏は、バイデン次期米大統領の下、米国とトルコの関係が正常化するかとの質問に対し、トルコが米国のシリアにおけるクルド勢力への支援活動に反対していることや、16年のクーデター未遂を指導したとトルコ政権がみている在米イスラム指導者ギュレン師の送還に関する要求に米国が応じなければ、正常化に至らないと答えた。「米国が戦略的に考えるのであれば、トルコは非常に重要な国だ。米国がそう言うなら、やらなければならないことを行動に移すべきだ」と語気を強めた。

地対空ミサイル「S400」
地対空ミサイル「S400」は、航空機や巡航ミサイル、中距離弾道ミサイルの迎撃を目的とする最新鋭のロシア製対空防衛システム。約400キロメートル圏内の100の標的を探知・追跡できるとされる。ロシア各地や、シリアのロシア軍基地周辺に配備されている。参考:日本経済新聞
北大西洋条約機構(NATO)
北大西洋条約機構(NATO)は、1949年に結成された西欧諸国の軍事機構。米国・カナダ、欧州の資本主義国など、30カ国が加盟する。最高機関は、加盟国代表から構成される理事会で、その下に北大西洋軍(欧州連合軍)を置く。参考:コトバンク
F35戦闘機
F35戦闘機は、1990年代に米国で開始された戦闘機開発計画であるJSF(統合打撃戦闘機)に基づいて開発された。レーダーに映りにくく、敵にも気づかれにくいステルス性に優れている最新鋭戦闘機で、「第5世代機」と呼ばれる。コンピューターによる情報統合で、専用ヘルメットには機体を透かして360度周囲を見渡せるディスプレーを装備しているほか、最先端技術が凝縮された機体に、中国とロシアは警戒感を募らせているとされる。参考:沖縄タイムスプラス
ギュレン師
ギュレン師は、本名がフェトフッラー・ギュレンで、トルコにおけるイスラーム道徳を基盤とする市民運動の指導者として知られる。トルコの学者でもある。2016年にトルコ国内で発生したクーデター未遂事件に関与したとされるが、現在、米国に亡命している。参考:weblio辞書

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