海警法を巡る国際世論戦が激化 政府の対応に募る不満

ニュースのポイント

  1. 中国の海上警備を担う海警局に武器使用の権限を付与した海警法が2月1日に施行され、国際世論戦が激化している
  2. 日本側が強い懸念を中国側に伝達する一方、中国は国際法に合致していると一点張り
  3. 政治関係者は、「懸念で済む程度ではない」と日本政府への不満を露わにしている

事態をエスカレートさせているのは中国側

引用元:sankei.com

中国の海上警備を担う海警局に武器使用の権限を付与した海警法が2月1日施行され、国際世論が激化している。3日に開かれた日中高級事務レベル海洋協議では、日本側が強い懸念を中国側に伝達する一方、中国側は国際法に合致していると正当化する姿勢。同日に行った日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)でも日本側が海警法を取り上げて懸念を伝えるなど、国際社会との危機感の共有を奔走している。

「この法律が国際法に反する形で運用されることがあってはならない。日本の強い懸念を共有したい」。日英2プラス2で茂木敏充外相は、次のように述べた。

日本側の懸念は、形となって現れる。海警法の施行を受け、政府・与党内では尖閣諸島周辺の態勢を強化。加えて、新たな法整備を含めた対策の検討が進む。

海警法は、海警局を軍と一体化させ、平時と有事の間のグレーゾーンで尖閣に対する日本の実行支配を崩す狙いも垣間見え、日本側は、これまでとは異なる思い切った対策が求められる。自民党関係者も、「事態をエスカレートさせているのは、中国側だと繰り返し発信しなければならない」と、国際世論を味方につける必要性を強調する。

海警法に関しては、南シナ海で領有権をめぐる問題を抱えるフィリピン、ベトナムも反発。フィリピンのロクシン外相は先月27日のツイッターで、「海警法は戦争の脅しだ。抵抗しなければ、海警法に服従することになる」と発信し、中国側に抗議したことを明らかにしている。

そうした中で、自民党は日本政府の対応に不満を募らせている。同党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」は2日、海警法施行を受けて緊急要望をまとめた。その中では、「懸念や関心程度の対応で済む話ではない」として、尖閣周辺での定期的な日米共同演習の実施などを求めている。

自民党国防部会関係者も、「『国際法に反する形で運用されることはあってはならない』のは当たり前で、海警法が国際法違反だとはっきり主張すべき」とする。

海警法は、適用される「管轄海域」をあいまいにした上で、管轄権が「外国の組織」に侵害された場合、「武器の使用を含む一切の必要な措置」をとると明記している。さらに、同法は、「国は装備を強化し、職責の履行に適した船舶、船空機、武器の配備を保証する」としており、海警局の増強がさらに進みそうだ。

海警局の職務や権限を具体的に定めた法律はこれまでになかった。海警法施行により、中国が領有権を主張する南シナ海でも周辺国との緊張が高まる可能性がある。

海警法
海警法は、沖縄県・尖閣諸島辺の日本領海への侵犯を繰り返す中国海警局の船舶による武器使用について明記した法律。2月1日に施行された。海警局の職務を「海上の権益保護と法執行の履行」と定める一方、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、個人に対して「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取る権利が海警局にあると規定している。尖閣諸島の領有権を主張する中国が、尖閣周辺で活動する海上保安庁の船舶や漁船に対して発砲するなど行動を先鋭化される恐れがある。参考:時事通信社
日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)
日英外務・防衛閣僚協議(2プラス2)は、日本と米国が両国の安全保障に関する政策を協議する、日米安全保障協議委員会の通称。1960年に設置され、開催は不定期。重要な節目に日本の閣僚が訪米して行うのが通例となっている。参考:コトバンク

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