ウイグルの収容施設で組織的な性的暴行、虐待 英BBCが報じる

ニュースのポイント

  1. 英BBC放送が6日までに、中国新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族らの監視・統制を目的とした収容施設で、収容中の女性らに対して性的暴行や虐待が組織的に行われていたと報じた
  2. ウイグル自治区の収容施設では、ウイグル族など少数民族100万以上が拘束されていると推測される
  3. 証人の女性は、収容所では毎晩女性たちが連れ出され、覆面をした中国人の男性にレイプされていたと話した

米英政府は強く批判

ウイグル人を強制収容し、同化政策を施しているとされる職業教育訓練センター 引用元:business.nikkei.com

中国西部・新疆ウイグル自治区の収容施設に入れられたウイグル族の女性らが、組織的なレイプ被害を受けたとBBCに証言した。この報道を受け、米英などの政府は「深く憂慮している」などと懸念を表明しており、国際社会から中国への厳しい批判が予想される。

ウイグル族などの少数民族100万人以上が拘束されていると推測されている新疆ウイグル自治区の収容施設。BBCは3日、収容施設で警官や警備員らから組織的にレイプや性的虐待をされたとする女性収容者たちの生の証言を報じた。

これに対し中国外務省は、BBCの報道を「間違った報道」と反論。告発内容は事実ではないと述べた。同省の汪文斌報道官も、「女性に対する組織的な性暴力や性虐待はまったくない」と話し、中国国内のすべての施設は人権ガイドラインに沿って運営されていると説明した。

さらに、「中国は法治国家であり、人権は憲法で保障され守られている。そのことは法制度に盛り込まれており、政府はその法制度の下で機能している」と付け加えた。

女性たちの証言

収容施設でレイプされていたというトゥルネスイ・ジアドゥンさん 引用元:bbc.com

中国政府は、BBCが報じた事実を否定しているものの、性暴力を収容施設で受けたという被害者の存在が相次いで明るみになっている。

収容施設から解放された後、アメリカに渡ったトゥルスネイ・ジアウドゥンさんは、収容施設では「毎晩」女性たちが連れ出され、覆面をした中国人の男にレイプされていたと厳しい当時の状況を話した。彼女自身、拷問を受け、2~3人の男たちに集団レイプされたことが3度あった。

カザフ族で新疆省出身のグルジラ・アウエルカーンさんは、収容施設に1年半入れられた。収容中、ウイグル族の女性たちの服を脱がせ、手錠をはめることを強制された。女性たちは、中国人の男らがいる部屋に置き去りにされたという。

証言者は、元収容者だけではない。「(男たちは)かわいくて若い収容者を選ぶために金を払っていた」、「男たちは私に、彼女たちの服を脱がせて手を動かせないようにした後、部屋を出るよう命じた」。収容施設の1つで警備員として働いた人物は、匿名を条件に、拷問や食事を与えないなどの虐待があったと語っている。

中国政府の新疆政策に詳しいアドリアン・ゼンツ氏は、BBCが取材で得た証言について、「残虐行為が始まって以降に私が見た中で、最も恐ろしい証拠だ」と強調。元収容者や施設関係者の言葉から「私たちが想像していたよりも明らかに深刻なレベルで性的虐待と拷問が行われていたことを示す、信頼できる詳細な証拠だ」

米英が非難

米国務省 引用元:histori-ai.net

BBC報道を受け、アメリカでは国務省の報道官が3日、「ウイグル族などのイスラム教徒を収容する新疆の施設において、女性に対して組織的なレイプや性的虐待があったという、直接的証言を含む報道を深く憂慮している」と述べた。「こうした残虐行為は良心を揺さぶるものであり、重大な責任が問われなくてはならない」と責任を追及する姿勢を鮮明にした。

さらに、イギリスでは4日、ヌス・ガーニ下院議員が議会の緊急質問で、「これらの恐ろしい話によって、中国当局が新疆で行った、集団虐殺にも相当し得る残虐行為に関する多数の証拠がさらに増えた」と訴えた。ガーニ氏は、ナイジェル・アダムス外務閣外相(アジア担当)に「こうした犯罪に対する法的な調査が完全に実施されるまで、中国との関係を深めることは一切しないと今日約束する」ことを求めた。

これに対しアダムス氏は、政府が「中国の責任を問う国際的な取り組みをリードしている」と説明。「BBCの報道を目にした誰もが、明らかに邪悪な行為に動揺し、心を痛めたはずだ」とし、欧米各国と協調して中国に圧力をかけ続けていくと宣誓した。

オーストラリアのマリス・ペイン外相もBBCの報道に言及。国連の監視団が「直ちに」新疆ウイグル自治区に入ることが許可されるべきだと述べた。「私たちは透明性が最も重要だと考えており、中国に対して引き続き、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官ら国際監視団による、新疆への有効で無制限のアクセスを直ちに認めるよう強く求める」

人権団体は、中国政府がウイグル族から信仰などの自由を徐々に奪っていると主張。大規模な監視や拘束、思想教育、さらには強制不妊が行われているとしている。

国際刑事裁判所は昨年12月、集団虐殺や人道に対する犯罪について中国を捜査するよう求める、国外に逃れたウイグル族の人々から出された申請を退けた。中国は同裁判所の権限が及ばないことを理由に挙げた。

これらの主張に対し、中国は一貫して新疆における人権侵害を否定。収容施設は拘束施設ではなく「職業教育と訓練のセンター」だとしている。

新疆ウイグル自治区の収容施設
新疆ウイグル自治区の収容施設は、2017年に中国政府が同自治区に設けた強制収容所。2020年までに、100万人を超えるウイグル人を収容されてきたと言われている。世界各国のメディアによると、「新疆ウイグル再教育キャンプ」と呼ばれる収容施設では、ウイグル族の人口を減らすことを目的とした女性の不妊手術のほか、中国政府への忠誠心を示さない場合の虐待や監禁などが行われているという。参考:COSMOPOLITAN
中国政府の新疆政策
中国政府の新疆政策は、政府に非協力的なウイグル人に対して行われている民族政策。ウイグル族を強制的に漢民族に同化させるのが目的で、ウイグル女性を漢民族と結婚させたり、イスラム教徒を強制収容所に拘束して中国思想に教化したりするなど、人権を無視した国家政策が施されている。参考:日経ビジネス

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