国内外に難題が山積みの中国、共産党創立100年の節目となる2021年の動向に注目

ニュースのポイント

  1. 中国共産党創立100年目となる節目の1年、経済の安定成長を実績としてアピールし、求心力を高める狙いか
  2. アメリカとの関係改善を模索するも対立長期化の可能性がある
  3. 日中関係には改善の姿勢を見せるも尖閣諸島での活動は活発になっている

経済の安定成長を実績としてアピールし、求心力を高める狙いか

新年の祝辞を述べる習近平国家主席 引用元:人民網

中国では2021年、中国共産党の創立100年目となり習近平指導部は重要な節目の年と位置づけている。国の発展をアピールし、共産党の一党支配の正統性を誇示するものとみられるが、国際的な孤立など国内外に難題を多く抱えている。近平国家主席は新年の祝辞で「中国共産党は100歳の誕生日を迎える。われわれは必ず中華民族の偉大な復興を実現できる」と強調した。

まず中国経済は昨年、世界の主要国が新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた中でも唯一プラス成長を実現したと主張しており、さらに今年は経済の安定成長を実績としてアピールすることで求心力を高める狙いがあるとみられる。昨年の1月から3月は新型コロナウイルスの影響で、四半期として初めてのマイナス成長となったものの、その後は政府主導の経済活動の再開や積極的な財政出動などによって回復に転じた。
IMF(国際通貨基金)は世界の主要国の2020年のGDP伸び率について軒並みマイナス成長を見込む中、唯一中国はプラス1.9%と予測している。また、今年の伸び率は去年が低かった反動もあり、主要国がそれぞれプラス成長になるとしていて、中国は8.2%、アメリカは3.1%、ユーロ圏は5.2%、日本は2.3%と予測している。

ただ、経済の回復を実現させたと宣伝する一方、アメリカとのハイテク分野での対立が成長戦略の妨げになる可能性があるほか、感染拡大を受けた景気対策の結果、債務の拡大や不動産バブルへの懸念なども高まっており、持続的な成長を実現していくには難しいかじ取りが予想される。

アメリカとの関係改善を模索するも対立長期化の可能性

引用元:マネックス証券

アメリカのトランプ政権との間で、貿易問題や新型コロナウイルスへの対応などあらゆる分野で激しく対立していたが、次期バイデン政権では関係改善を模索したい考えのようだ。習近平国家主席は昨年11月にバイデン氏に祝電を送った際には「健全で安定した両国関係の発展を推し進めることを望む」として関係改善に期待を示している。
中国としては、バイデン氏が地球温暖化対策の国際的な枠組みパリ協定への復帰や、WHO(世界保健機関)からの脱退を撤回する考えを示していることから、気候変動の問題や感染対策などで連携の機会を探るものとみられる。

ただ、中国の専門家の間では、香港問題や新疆ウイグル自治区の問題をはじめとする人権などの分野では、バイデン次期政権がトランプ政権より厳しい姿勢を示す可能性があると指摘する。また、南シナ海や台湾をめぐる問題、貿易問題など幅広い分野で対立が長期化するという見方が強い。さらに、今年7月に中国共産党の創立100年に合わせて、習近平国家主席が共産党による統治の正統性を強調する演説を行うとみられることから、「中国のイデオロギーがより鮮明になり、西側諸国から繰り返し非難を受けることは避けられない」との見方もあり、対立が激化する可能性もあると指摘している。

日中関係は改善姿勢も、尖閣での活動は活発に

沖縄県・尖閣諸島 引用元:日経新聞

アメリカとの対立の長期化が予想される中、米同盟国である日本をはじめ、周辺の国々とは安定した関係を築きたいと考えているとみられる。昨年11月には新型コロナウイルスの影響で多くの国際会議がテレビ会議方式で開かれる中、王毅(オウ・キ)外相が訪日、茂木外務大臣と会談し、感染対策をめぐる連携や経済分野での協力の推進などを確認した。

習近平指導部としては、いわゆる「中国包囲網」を切り崩したい思惑もあるとみられ、今年はアメリカとの関係を考慮しながら、日本とのさらなる関係改善を模索するものとみられる。具体的には中国が主催する国際会議や、中国側が年内の開催に意欲を示す「日中ハイレベル経済対話」などの機会を捉えて、日本とのハイレベルの対話を調整するものと考えられる。

一方で、中国は沖縄県尖閣諸島周辺での活動を活発化させており、昨年中国当局の船が領海のすぐ外側の「接続水域」を航行した日数は過去最多の333日に上り、領海に侵入し続けた時間も過去最長となっている。また、今年は尖閣諸島周辺に公船を派遣している中国海警局の任務や権限を定めた新たな法律「海警法」が成立する見通しだ。法律の草案では中国の管轄する海域で外国の船舶が違法に活動し、停船命令などに従わない場合は武器を使用できるなどと規定していて、日本の漁船への影響も懸念されている。

パリ協定
は第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたフランスのパリにて2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定。1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みであり、気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する枠組みとしては史上初である。排出量削減目標の策定義務化や進捗の調査など一部は法的拘束力があるものの罰則規定は無い。参考:Wikipedia
新疆ウイグル自治区
中華人民共和国の西端にある自治区である。1955年に設立され、首府は烏魯木斉(ウルムチ)市である。民族構成はウイグル人のほか、漢族、カザフ族、キルギス族、モンゴル族(本来はオイラト族である)などさまざまな民族が居住する多民族地域であり、自治州、自治県など、様々なレベルの民族自治区画が置かれている。中華民国時代には、1912年から新疆省という行政区分が置かれていた。本来中国には時差が設定されていないが、新疆では非公式に北京時間(UTC+8)より2時間遅れの新疆時間(UTC+6)が使われている。参考:Wikipedia
日中ハイレベル経済対話
日本と中国の首脳が経済や環境に関する対話を行う会合である。日中ハイレベル経済対話は2007年4月12日に中国の国務院総理の温家宝が訪日した際に日中が意見交換をする会合を行うこと旨の会合が行われ、年内に北京で開催することが決定した。中国側は李肇星、馬凱、薄熙来、魏礼群などが参加し、日本側は安倍晋三、麻生太郎、尾身幸次、甘利明などが参加した。参考:Wikipedia

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