韓国大統領、法相交代 検察との対立混乱を収束させる狙い

ニュースのポイント

  1. 韓国の文在寅大統領が12月30日、検察改革を主導してきた秋美愛法相を交代させる人事を発表した
  2. 秋法相は、検察改革を巡って尹錫悦検察総長と対立してきた
  3. 文政権が進める検察改革の柱となる「高位公職者犯罪捜査庁」のトップには、裁判官出身の金鎮煜を指名した

秋法相交代で検察改革の加速化へ

検察との対立により、交代が言い渡された秋美愛元法相
引用元:ajunews.com

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、検察改革を主導してきた秋美愛(チュ・ミエ)法相の辞表を受理したと発表した。後任に側近の国会議員を充て、検察改革を加速させるとともに、政権と検察の対立による混乱を早期に収束させる考えだ。国政の混乱を招いたとして大統領府の主要幹部が一斉に辞意を表明しており、文氏は人事刷新で支持率回復に力を入れる。

秋氏の後任には文氏の側近の朴範界(パク・ボムゲ)氏を充てる。秋氏は16日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に停職2カ月の懲戒処分を下したうえで、自らも辞任を表明しており、文大統領はこれを受け入れた格好だ。朴氏は30日、国会で記者団に「検察改革を完遂する」と言葉少な。政府高官の汚職などを取り締まる捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」を2021年1月に新設するなど、検察権限を抑え込む一定のメドが立ち、新法相のもとで一層の権限縮小を進める。

文氏は30日に公捜処の初代トップに裁判官出身の金鎮煜(キム・ジンウク)氏を指名した。公捜処が発足すれば政府高官や政治家などに対する検察の捜査権が移管されるため、文政権側はいち早く公捜処を立ち上げて検察組織の権限抑制を急ぐ。

検察組織との対立のほか、不動産高騰に対する失策や新型コロナウイルス対応の不備などで、文政権の支持率は過去最低の30%台の低迷が続く。これら国政の混乱を受けて、30日には大統領府の主要幹部である盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長や金商祚(キム・サンジョ)政策室長らが一斉に辞意を表明した。大統領府は主要幹部の辞意について「大統領が新たに国政運営を構想できるように退く考えを示した」と説明。文氏は22年3月の次期大統領選を見据えて、政権幹部の人事を刷新して政権運営の立て直しを図る構想だ。

韓国の検察改革
韓国の検察改革とは、文在寅大統領が主導する、検察の権限縮小を目的とした制度改正。国家情報院▽検察▽警察▽国税庁という4つの権力機関を対象としており、これまでに政府高官らの不正を捜査する独立機関の設置を定める「高位公職者犯罪捜査処法」のほか、北朝鮮関連の事件や国内のスパイ事件などの捜査権を国家情報院から警察に移す「改正国家情報院法」や「改正警察庁法」を成立させている。参考:WEDGE infinity
秋美愛
秋美愛は、韓国の政治家で法務部長官。朴槿恵政権末期から文在寅政権初期にかけて、民主党の代表を務めた。党代表として、2017年5月の大統領選挙と2018年6月の第7回全国同時地方選挙を勝利に導いている。参考:weblio
高位公職者犯罪捜査庁
高位公職者犯罪捜査庁は、検察改革関連法案の可決に伴い、設置された韓国の国家機関。大統領、国会議長、大法院長などの高位公職者の犯罪捜査を専門とする独立機関に位置付けられる。高位公職者が判事、検事といった場合には、起訴する権限も持っている。参考:weblio
文在寅大統領の支持率
韓国の文在寅大統領の支持率は、12月11日に発表された数字で38%を記録し、2017年5月の就任以来の過去最低を更新している。支持率低下の背景には、検察改革を巡る内政での混乱や新型コロナウイルスの感染拡大があると言われている。参考:テレビ朝日

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