2021年から始動する中国の第14次五カ年計画 中国経済の課題や重視するものとは

ニュースのポイント

  1. 2020年までの第13次五カ年計画が終了し、2021年から第14次五カ年計画が開始される
  2. 第14次五カ年計画期間には、デジタル経済をより発展させることが重要になる
  3. 最重要課題は、地域のバランスが取れた経済発展である

中国が2035年までに経済規模や平均所得を倍増するための条件とは

中国の第13次五カ年計画が2020年に終了し、2021年から2025年にかけて第14次五カ年計画が始動する。これに先駆けて、11月28日、「第2回中国発展計画フォーラム」が北京で開催され、出席した多くの専門家が新たな五カ年計画での中国経済の「重大任務」について話し合った。同フォーラムは、清華大学が主催し、同大の中国発展計画研究院と地域発展研究院が実施したものである。

出席者の一人である、中国人民政治協商会議全国委員会経済委員会の副主任で、清華大学中国発展計画研究院の楊偉民院長は、「中国が2035年までに経済規模または一人あたり平均所得の倍増を達成するのには条件がある」と話した。

「キーワードは3つだ。1つ目は『局面』で、中国経済の生産、分配、需要、技術などの基本的局面を最適化する必要がある。2つ目は『循環』。国内の生産、分配、需要およびこれらの間の循環をスムーズにし、つまりを取り除き、滞りを解消しなければならない。3つ目は『開放』で、国内の循環を主体としつつ、輸出入の数量を減らすのではなく、引き続き世界の工場の役割をしっかりと果たし、世界の市場の役割も担わなければならない」(楊院長)。

中国が科学技術強国になるために必要なこと

科学技術部(省)戦略計画司の許倞司長は、「過去1年間、重点分野の技術が『デカップリング』するリスクが顕在化し、中国にとって厳しい挑戦となった」と述べた。

「中国がこれから科学技術強国に向かって邁進するには、現在のような多くの分野での後追いから、より多くの最先端の創造へと発展する必要がある」としたうえで、「新たな科学技術の発展には国家戦略における科学技術の力を強化し、国のイノベーションシステム全体の効果を高めなければならない」(許司長)。

また、全国人民代表大会社会建設委員会の副主任委員で、清華大学公共管理学院の江小涓院長は、「デジタル経済はこれからも急速に発展し、全面的に力を発揮し続けるだろう。第14次五カ年計画の終わりごろには、中国のデジタル経済の全体的な形がほぼ形成され、進化を続けて、非常に大きな影響を及ぼすようになるだろう」と予測した。

最重要課題は地域のバランスが取れた経済発展

国土が広大な中国における最大の課題は、地域間の経済格差だ。第14次五カ年計画の最大の課題も、都市部と農村部、内陸部と沿岸部、東部と西部など地域のバランスが取れた経済発展だろう。

中国国際経済交流センターの王一鳴副理事長はこの課題について次のように話した。
「沿海地域の『外から誘致し内につなげる』紐帯としての役割やターミナルとしての機能を強化し、中部・西部地域で戦略的な成長の極をより多く展開・育成するよう加速すると同時に、引き続き大都市圏と都市圏の2つの循環によるターミナルとしての役割、戦略的支点としての役割をしっかり発揮させることだ」。

実体経済とバーチャル経済とのアンバランスも、長期にわたる中国経済の課題として存在する。

工業・情報化部(省)の王志軍副部長は、「今後は製造業の発展をより重視し、技術イノベーションと要素資源の製造業への効果的な集積を強化し、中国製造業がより大きく、より強くなるよう努力しなければならない」との見方を示した。

 

五カ年計画
五カ年計画は、中国がかつて国が生産や物流を統制する計画経済だった名残。中国共産党の党大会で策定されるもので、第14次五カ年計画の期間は2021年から2025年まで。第1次五カ年計画は、ソビエト連邦にならい中国社会主義経済の工業化を目指して1953年に開始されている。参考:日本経済新聞
デカップリング
2国間の経済や市場などが連動していないことを指す言葉。米国の経済が停滞しても、それとは関係なく中国などの経済が成長し、世界経済の拡大が続くとする見方。参考:大和証券

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