2020年の中国のGDP前年比1.9%増、主要国で唯一のプラス成長 2025年には米国の9割の経済規模に

ニュースのポイント

  1. 2020年の中国の実質国内総生産(GDP)は前年比1.9%増で、主要国・地域で唯一のプラス成長であることが分かった
  2. 2020年の中国GDPが世界全体に占める割合は17.7%となる見通しで、2025年の中国GDPの規模は米国の9割に達する
  3. 中国経済依存リスクを排除するには米国が再び世界経済の牽引役となることが重要

中国の国内総生産(GDP)が前年比1.9%増に

「中国のプラス成長への復帰は予想よりも力強く、7~9月期はさらに加速する兆しがある」 。国際通貨基金(IMF)のギータ・ゴピナート調査局長は10月発表の世界経済見通しで、中国経済を評してこのように語った。

IMFによると、2020年の中国の国内総生産が前年比1.9%増になる見通し。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済全体の2020年の実質成長率はマイナス4.4%。世界最大の経済規模を誇る米国はマイナス4.3%、欧州連合(EU)はマイナス7.6%、欧米各国と比べると比較的感染者数が少ない日本でもマイナス5.3%だ。主要国・地域が軒並みマイナス成長に陥る中、世界経済は中国の「一人勝ち」の様相を呈している。

2025年、中国の経済規模は米国の9割に迫る

IMFのデータによると、2020年の中国の名目GDPが世界経済に占める割合は、17.7%になる見通し。中国経済は、2021年も8.2%増と高い成長率を記録すると見られており、2025年には中国の名目GDPの世界経済に占める割合が20.3%にまで拡大する見込みだ。このときの中国の名目GDPの規模は、米国の89.3%にまで達すると見られている。

中国経済への過度な依存リスクを排除するには米国経済の復活が必要不可欠

こうした中、ウォール・ストリート・ジャーナルは、11月6日、自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)や飲料大手のコカ・コーラなど、多くの米国企業が中国市場への依存度を高めていると報じた。

ただ、中国経済が知的財産権保護の不十分さや、中国政府による企業活動への介入など、企業にとっての問題を多く抱えているのは周知の通り。中国経済への過度な依存は、企業活動にとって大きなリスクであると言っていいだろう。また、行き過ぎた中国経済への依存により、企業が中国政府の意向に逆らえなくなる恐れもある。

こうした中国依存リスクを排除するためには、米国経済が再生し、再び世界経済の牽引役を担う必要がある。日本も米国や欧州などと協調しながら、成長を取り戻すための施策を打ち出していくことが重要になるだろう。

国際通貨基金(IMF)
1947年(昭和22年)3月に業務を開始した国際機関。加盟国の為替政策の監視や、国際収支が著しく悪化した加盟国に対して融資を実施することなどを通じて、国際貿易の促進、加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、為替の安定などに寄与することを目的としている。2020年(令和2年)10月末現在の加盟国は190か国。参考:日本銀行
国内総生産(GDP)
一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値のこと。国内総生産には、国内企業が海外で生産した価値は含まれない。日本の名目GDP(2018年)は4.96兆ドルで、米国(20.58兆ドル)、中国(13.89兆ドル)に次ぐ世界第3位。名目GDPは、その生産数量に市場価格をかけて生産されたものの価値を算出し、すべて合計することで求める。一方、ここから物価の変動による影響を取り除いたものを実質GDPという。参考:SMBC日興証券

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