米12月雇用統計、8か月ぶり悪化の可能性も

ニュースのポイント

  1. 雇用統計との相関関係が最も強いとされる12月ADP雇用統計は4月以来のマイナスとなった
  2. 新型コロナウイルス第3波の影響で各州が規制を強化しており、12月雇用統計がマイナスに落ち込む可能性がある
  3. 雇用が減少しても、「ブルーウェーブ」による米国の財政拡大政策を織り込み、米国債相場の下落傾向は継続する見通し

コロナ第3波の影響で各州で規制強化、12月雇用統計マイナスに落ち込む可能性も

昨年6月ケンタッキー州で失業保険申請のため、開所前の就職支援センターに並ぶ人々 引用元:Newsweek

米労働省は8日に最新12月の雇用統計を発表する。失業率は6.8%と11月6.7%から上昇した。非農業部門雇用者数は前月比7.3万人増と、11月の24.5万人増から伸びが大きく縮小すると見られている。雇用統計との相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示す12月ADP雇用統計は-12.3万人と、11月+30.4万人から4月以来のマイナスとなった。

消費関連の雇用が冴えない一方で、製造業の雇用は比較的堅調に推移している。製造業動向を表すISM製造業指数の雇用も51.5と11月に48.4と活動縮小に落ち込んだのち、再び50以上に回復した。失業保険申請件数が再び減少傾向にあることもプラス材料となる。

労働省が発表する雇用統計での非農業部門雇用者数は7.3万人増と、前月からは伸びが鈍化するものの7カ月連続の増加が予想されている。ただ、新型コロナウイルス第3波の影響で各州が規制を一段と強化しており、雇用統計の雇用者数も予想外のマイナスに落ち込む可能性も否定できず、ネガティブサプライズに備える必要がある。

とはいえ、もし雇用が減少に落ち込んだとしても民主党が政権、議会で圧倒的多数を占める「ブルーウェーブ」による米国の財政拡大政策を織り込み、米国債相場の下落傾向は継続する見通し。債利回りの上昇に伴うドル買いも継続すると見られる。

雇用統計
アメリカの雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な指標のひとつです。原則、毎月第1金曜日にアメリカ労働省から発表されます。政府から最初に発表される前月の指標で、アメリカの景気の実体を表す最新の数値として、外国為替、株式、金利などのマーケットにも影響を与えるため、市場関係者が注視しています。参考:SMBC日興証券
非農業部門雇用者数
米国労働省が毎月第1金曜日に公表する米雇用統計の指標のひとつで、農業部門を除いた産業で働く雇用者数のこと。前月比でどれだけ増減したかで判断される。失業率と並び、米国の雇用情勢を表す指標として注目度が高い。農業を除く民間企業や政府機関などの給与支払い帳簿を基に集計されており、家計サンプル調査ベースの失業率に比べ、前月の雇用の動きをいち早く映すとされる。米連邦準備理事会(FRB)も経済政策の判断材料の一つとして重要視している。参考:野村證券
ISM製造業指数
ISM(Institute for Supply Management)製造業景況感指数(Manufacturing Report on Business)とは、全米供給管理協会(ISM)が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す指数のことをいいます。300を超える製造業企業に対して「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートを実施して、回答結果から指数を算出しています。最新の状況を表し、しかも精度が高いとして信頼度も高いものになっています。一般に、数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。参考:SMBC日興証券

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