デフォルト懸念でユニゾホールディングス社債価格暴落

ニュースのポイント

  1. アメリカの投資ファンド「ローンスター」と組んで自社の株式を非公開化した不動産会社ユニゾホールディングスの社債価格が急落
  2. 株式非公開化により決算が開示されなくなったため会社の財務状況が不透明で社債の買い手は不在
  3. 非公開化する企業は増加傾向にあり、社債投資家保護のしくみづくりが急務となる

株式非公開化で置き去りにされる社債投資家、保護の仕組み整わず

不動産会社ユニゾホールディングスの社債価格が急落している。ユニゾホールディングスは東京の八重洲に大型のビルを保有していたみずほ系の不動産会社だが、デフォルトの懸念からユニゾホールディングスの社債保有者は買い手を探している。

EBO実施後、ローンスターからの融資を受ける

ユニゾホールディングスは、アメリカの投資ファンド「ローンスター」と手を組みEBO(エンプロイー・バイアウト)を実施。2020年6月に上場廃止となり、その後ユニゾホールディングス従業員とローンスターによって「チトセア投資」が設立された。この「チトセア投資」がユニゾホールディングスをTOBにより買収し、買収資金のうち約2,000億円はローンスターからの融資と優先株式の発行により調達した。

しかし、2020年10月にはユニゾホールディングスがローンスターに割り当てた優先株のうち、546億円が約8割の利子を乗せた980億円以上の値段で買い戻されていたことが「チトセア投資」の登記簿から判明。これと同時に1,510億円のローンスターからの融資についても返済している様子で、計約2,500億円がユニゾホールディングスからローンスターに渡った計算となる。

投資家保護より債務返済を優先か

これについて、ユニゾホールディングスはTOBの際に債権保全をはかる旨を文書に残していたが、その約束は反故されたこととなる。投資家らへの支払いを優先するとしていた一方で、ローンスターへの債務を優先的に返済していたことになるためだ。

さらにユニゾホールディングス自体の収益も、株式の非公開化により情報開示が減り、決算開示をやめたために見えにくくなった。社債投資家らはユニゾホールディングスの財務状況が見えないまま、社債を保有する状況が続いている。また、八重洲にあった大型のビルもすでに売却済みで、もともとみずほ系だったがこの度のEBOによりみずほとの関係は希薄化している。

格付けも「トリプルB」(日本格付け研究所)となった。「トリプルB」は投資適格とされるランクのうち、下から2番目という評価で、投資家らはさらなる格下げリスクを危惧している。

非公開化で社債投資家に不利益な状況が続くことも

株式を非公開化する企業は増加傾向にあり、今回のユニゾホールディングスと同様の問題が生じるおそれもある。こうした場合に、社債投資家保護の仕組みがないことが浮き彫りとなった。

 

デフォルト
デフォルトとは、債券の利払いや償還が約束通りに行われないことです。約束(債務)が破られることから、債務不履行とも呼ばれます。
デフォルトには、利払いの停止、額面金額の払い戻しの停止、額面金額の一部のみ払い戻しなど、いくつかのケースがあります。
デフォルトの可能性は、「格付」がひとつの判断材料になります。格付とは債務が履行される確実性を、債券の発行体とは利害関係のない第三者機関である格付会社が判断して行っているものです。発行体の財務・経営状況などの変化に合わせて、随時見直されます。S&P、Moody’s、Fitchの日本法人のほか、JCR、R&Iなど、2020年1月20日現在7社の格付会社が金融庁の登録を受けています(信用格付業者)。参考:初めてでもわかりやすい用語集
敵対的TOB
敵対的TOBは、相手の会社を買収するための株式公開買い付けの事を言います。本来ならば、特定の会社を買収するためには相手の会社や株主の同意や賛成が必要になります。買収に協力的をしてもらうことによって、その会社の経営陣や株主と友好関係を築きながら新しい経営を行なっていくことができるからです。
しかし、敵対的TOBの場合はこうした経営陣やそれに関する関連会社や株主の同意を得ずに一方的に株式を購入する事を言うのです。
市場内外より株式を大量に購入することによってその会社の大株主となり、結果的に親会社となることによって強制的な買収を行うことができます。参考:トレダビ
EBO
EBO(Employee Buy-Out、エンプロイー・バイアウト)とは、自社の従業員が会社や事業を買収することをいう。参考:マールオンライン

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